「ただただ怖ろしい。」飼育(1961) 吹雪まんじゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
ただただ怖ろしい。
原作既読。……ほとんど覚えていませんが。
観終えた後「あれ?こんなに濃い内容だったかしら?」と思い本棚に手を伸ばしたわけですが、ページ数の少なさにびっくり。原作をヒントに物語を広げていった映画のようですね。
冒頭からホラーのような演出で始まり、終始重苦しい雰囲気で展開していくストーリーは、浅ましさ、愚かさ、醜さ、嫉妬、虚栄、憎しみ等、人間の嫌な部分だけを切り取ったかのようで狂気すら感じさせます。
音楽が恐怖を煽り、役者の迫真の演技が緊張感を生み出しております。ただし、方言がきついため、セリフはほとんど聞き取れませんでした。なので正確にレビュー出来ないので星4です。すみません。
後味は非常に悪いです。鬱エンドと言って差し支えないでしょう。まぁ、大江作品は大体後味悪いし、そこは原作通りといったところ。
終戦間際のお話ですし、本作製作当時の時代背景も全く知らないので、社会風刺があったのかは分かりませんが、とにかく村社会の暗部を抉るような作品でした。
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