劇場公開日 2005年7月16日

「いわゆる“天然”と呼ばれる愛すべき女性たちは、なぜかペンギン歩きをする人が多いようだ…と思うのは私だけでしょうか。」皇帝ペンギン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0いわゆる“天然”と呼ばれる愛すべき女性たちは、なぜかペンギン歩きをする人が多いようだ…と思うのは私だけでしょうか。

2019年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 皇帝ペンギンは極寒の地・南極を真摯に生きぬいている。ときには直立で歩き、ときには腹で氷原をすべり、海を見つけるとすかさず果敢にもダイビングするのである。彼らはマイナス40度という過酷な条件下で愛を交わし出産し、卵を孵すまで夫婦交互にヒナを育てあげるのです。母は出産後、エサを求めて何日もかけて行進し、オスは4ヶ月間絶食して、猛吹雪から子を守る。昼のない悪魔のような冬。寒さをしのぐために仲間同士で円陣を組んだり、他の家族をも相互に守る。「食べるために生きる」「生きるために食べる」といった人間の論争からは無縁の、ただ「子を育てるため、子孫繁栄のために生きる」という、無我の境地なのだ(悪く言えば、本能で生きている・・・)。

 子どものための犠牲の精神は、人間も見習わなければならないと感ずるし、短い夏のお楽しみのためにストイックなまでに耐え忍ぶ姿を見ると、甘ったれた自分を叱咤激励するいい契機になったかと思います。また、予告編を見た段階では、親子愛を中心にした動物物語だと思っていたのですが、同種族の仲間意識が重要だというテーマもあったかと思います。

 映画の構成は上手い作りになっている。ドキュメンタリーではあるけど、声優によってドラマチックに盛り上げてくれるのです。愛らしい皇帝ペンギンの映像をベースに、詩的な擬人効果の台詞を展開するのは、大沢たかお、石田ひかり、神木隆之介の3人だ。やはり、神木くんは天才だ・・・

 ペンギンたちを尊敬すべき存在だと考えると、もしかすると、“天然”と呼ばれる女性をも尊敬すべき存在なのだと考えを改めなければならないかもしれません。あなたの職場にもいませんか?もう馬鹿にはできませんよ・・・

kossy