ザ・ブルード 怒りのメタファーのレビュー・感想・評価
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監督が妻との離婚後に作製した映画
この映画はクローネンバーグ監督が妻と離婚し娘の親権を争っている最中に作った映画というものであり、随所にその経験が作品に込められています。
ストーリーは「主人公の元夫が娘に久しぶりに会った際に身体に無数の傷があることに気が付く。元夫は元妻に『お前がやったんだろう』と詰め寄るが元妻は否定。そこへ元嫁の母が殺されるなど次々に殺人事件が起きていき…」というもの。
本作の最大の見どころは「体外子宮」という概念だと思います。
身体の外に子宮。
誰もがそれを見た時ギョッとするでしょう…
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精神と肉体の変容
クローネンバーグ作品はいくつか見てきたが、クライムズオブザフューチャーを見たタイミングで本作も視聴。
緊張感のあるドラマが続き、低予算映画ながら最後までしっかり楽しめた。
精神と肉体の連続性や、その変容はクローネンバーグ作品の永遠のテーマだ。本作でもそのベースの部分は変わらない。
ただ、個性的なのは"怒り"が"腫瘍"として肉体に現れ。さらにその腫瘍が本人の意思から独立して動き出すという点だろう。
この発想は今見ても非常に斬新で、そのビジュアルもあいまって驚かされた。
考えようによっては、精神を病んだ患者の負の感情を"腫瘍"として摘出すれば回復するのではないだろうか? そんな事まで考えてしまった。これもある種の進化なのかもしれない。
肉体と精神が深く繋がっているのは誰もが認める所だろうが、それを飛躍させた本作のストーリーはクローネンバーグにしか生み出し得ないものだろうと思う。
嫌な予感しかしないエンディングも含めて印象的な作品だった。
ブルードが可愛い
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