劇場公開日 2007年1月27日

「もうちょっと頑張って欲しかった」どろろ KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 もうちょっと頑張って欲しかった

2020年6月13日
PCから投稿

小学生の学芸会的な雰囲気を何とかしてもうちょっとレベルの高いものにして欲しかった。
それから原作はエピソードの一つ一つがとてもよく出来た人間ドラマなので、どれか一つでもきちっとやってほしかった。切り詰めた脚本がダイジェスト版みたいだった。物語で語るべきところを柴咲コウがことごとく口で喋ってるのに鬱陶しく思った。クライマックスが一番いけない。まず中井貴一はこの物語の雰囲気に全く合っていない。それから対妖怪みたいな感じでずっとやってきたのにクライマックスがチャンバラ??非常にバカバカしかった。きっと予算がなさすぎて原作のような、ボス妖怪達と百鬼丸が戦うシーンや群衆が城に押し寄せるシーンが撮れなかったのだろう。あー・・日本映画は情けない。脚本もいただけない。母親とのドラマやって弟とのドラマやってからの親父とのドラマなのでファミリードラマ3連発で嫌気がさした。原作ではそれを防ぐために母親とはチラッとしかあっておらず弟と戦うところをクライマックスにして親父と戦うところはさらっと済ませていた。
褒められるところはストーリー全体の構成だと思う。原作は打ち切りを恐れて1番面白い所を2巻(全4巻)でやってしまっているが映画ではそれをきちっと最後に持ってきたので全体のまとまりは良かったと思う。
原作への思い入れの強い作品が映画化されるというのはそれだけでお祭りのようなものである。この作品が映画で見れてお祭り気分を味わえたのは楽しかった。

原作は手塚治虫の300冊以上ある作品の中でも、特に独創性とテーマ性の高い作品としてファンたちから高く評価されている。手塚は漫画を子供向けに描いていることが多いので、これを読んでる人がまだ中学生だったのなら、 手塚作品は中学卒業するまでに、おそくとも高校卒業するまでに読め。とアドバイスしたい。

KIDOLOHKEN
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