「ドールズ(人形たち)の物語。」Dolls(ドールズ) だいすけさんの映画レビュー(感想・評価)
ドールズ(人形たち)の物語。
一本の赤い紐でお互いの体を結び、当てもなくさまよう男女。
老齢のヤクザの親分と、彼を何年も待ち続ける女。
事故で片目を失った元アイドルと、それでも彼女を慕い続ける孤独な青年。
3組の男女の物語を「文楽」の「冥途の飛脚」の物語になぞらえ、
それぞれの「ラブストーリー」を描いています。
この映画のタイトル「ドールズ」は、
冒頭に登場する「文楽人形」のことであると同時に、
限りなく「人形」に近い3組の男女のことでもあります。
主人公達は「文楽人形」のように無表情です。
それが逆に、「豊かな表情」を感じさせます。
この映画は「人形達(ドールズ)」の物語です。
ですから、普通のラブストーリーと思って見ると、
あまりにも「浮世離れした」物語に感じるかも知れません。
この辺りが、この映画の評価の分かれ目のような気がします。
僕は、この映画を観て、「やっぱり、北野監督は凄い」と思いました。
この映画で監督が言いたかったのは、
「愛こそ、究極の『暴力』だ。」
ということだったんじゃないかな?
そう、僕は思います。
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