「映画レビュー書く人は全員これ観ろ」デビルマン といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
映画レビュー書く人は全員これ観ろ
原作は永井豪の超名作。間違いなく面白い。
製作費は10億円と、邦画にしてはかなりの予算。
最新のCG技術を用いた迫力あるアクションシーン。
なんでこれだけ恵まれた環境でこんな酷いことになっちゃったの。「これがダメだった」っていう決定的な欠点があるわけではなく、演技も脚本も演出も映像も、もれなく少しずつ欠点があって掛け合わさって怪作が生まれてしまった。
ただ、私個人の意見ですが、ネット上などで言われているほど悪くはなかったというのが正直な印象。「こういうことがやりたかったんだろうな」ってのは何となく伝わってきましたし、おそらく構想通りにきちんと出来上がっていれば傑作映画になったはずです。
それなのに役者陣の棒読み演技が脚本を殺し、突っ込みどころの多い脚本が演出を殺し、違和感のある演出が映像を殺し、無駄なCG多用が役者陣を殺した。ピタゴラスイッチ的にそれぞれの欠点がそれぞれの長所を殺して最後には何も残らない。そんな映画でした。
作家の山本弘さんが
「映像作品作りたい人はこれを見たらいい。娯楽映画においてやっちゃダメなことが分かる。それをやらなければ極端な駄作が生まれる可能性が減るだろう」
とブログで綴っていたのが印象的で、全くもっておっしゃる通り。
映画製作に携わる人もレビューサイトに評価を書く人も、皆この作品を観たらいい。「何がダメだったか」を考えながら観ていただければ、今後の映画の見方が変わると思う。
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