サン・ピエールの生命(いのち)のレビュー・感想・評価
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死刑囚
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濃霧の中でのタラ漁。漂流中に助けられたルイとニールはクパール船長が「単にでかいのか、デブなのか」を確かめようとして誤って殺害してしまう。裁判の結果監獄送りとなったルイは護送中、事故で死んでしまう。
根っからの悪人はいないと信じて慈善を施すポーリーヌ。夫ジャンも進歩的でリベラルな考えの持ち主だが、下着の匂いを嗅ぐというちょっとアブノーマルな性癖の持ち主。馬につけた名前が“塩ダラ”というのも面白い。全編通して常にシリアスなドラマを作るのではなく、ちょっとした笑えるキャラや設定がルコント監督の重要な要素だと思う。
ギロチンの処刑執行まではかなり自由・・・ジャンヌ=マリーと結婚までしてしまうニール・・・まるで潔く罰を受ける聖職者のようである。そして厳しい軍の規律にも背いてしまうほど信念が強かったジャン隊長。島民たちの純朴なニールへの思いも伝わってくる。惜しいのは処刑直前に民衆パワーが炸裂しなかったところだ。ニールとジャンの崇高さには感動するものの、涙が出るほど感動できなかった。
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