「観たかった度◎鑑賞後の満足度○ 「ハリウッドの鬼才(奇才?)」という呼び名に違わぬ難解作。どのシーンも意味深で且つ奇怪。仮に三人の女が最初から共謀していたと想定すれば分かりやすいな話なんだけど。」三人の女 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
観たかった度◎鑑賞後の満足度○ 「ハリウッドの鬼才(奇才?)」という呼び名に違わぬ難解作。どのシーンも意味深で且つ奇怪。仮に三人の女が最初から共謀していたと想定すれば分かりやすいな話なんだけど。
①『ザ・プレイヤー』『ショートカッツ』『プレタポルテ』が(私には)もう一つだったとしても、『ナッシュビル』が one of the best movie I have ever watched である限り、ロバート・アルトマンは one of the best directors I have ever known である。
②上記四作をはじめとして『ウェディング』『HEALTH 』『ゴスフォード・パーク』等群像劇の名手として有名であり且つポール・トーマス・アンダーソン等が多大な影響を受けた監督さんであるが、時たまけったいな映画も撮る監督さんである。
③『ナッシュビル』で惚れ込んだ後、その後に作られた本作も観たかったが(当時観ていたら、その分からなさに、逆にがっかりしていたかも)観れず、46年越しの夢叶うである。
④多分ちょっと変わった映画に違いない、というのは主役を見ればわかる。
三人目のジャニス・ルールという人はよく知らないが、先ずは当時アルトマンの秘蔵っ子と言われていたシェリー・デュバル。一般的には『シャイニング』の奥さん役が最も知られているだろうが、見るからにユニークな女優さんである。
続いて前年に『キャリー』でブレイクしたシシー・スペイセク。当時は正に、不思議ちゃんを演じさせるならこの人、っていう女優さん。
この二人の共演だから普通の映画ではないな、という匂いは同時からプンプン。
⑤シェリー・デュバル演じるミリーは高齢者ディケアセンターで働く介護士さん。
有能で料理上手(段取りが良い)で部屋もキレイ(片付けられる女)。
しかし同僚や同じアパートに住む住人からは敬遠されているよう。確かに行動が男探し丸分かりだし、聞いてもいないし聞かれてもいないのにいつまでも一人で喋っていたり話かけてきたり。いわゆるウザイ女ではある。
でも後々の言動・行動からすると結構お人好しで善良な性格のようだ。
⑥シシー・スペイセク演じるピンキーはパッと見は田舎から出てきた純朴そうな女の子。しかし、シシー・スペイセクが演じるからにはどこか変わったところがあるんだろうとの予感。
新人指導担当になったミリーに馴れ馴れしく近づき、チャッカリ同居人になってしまう。
ここまでは知る人のいない土地に来た寂しい女の子が仲良くしてくれる同僚に付きまとうというよくある話に思えるが、やがてピンキーはだんだん不穏な一面を見せだしはじめる。
⑦