「四者四様の恋愛観」クローサー(2004) talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
四者四様の恋愛観
<映画のことば>
アリスことジェーン(ラリーとの会話)
「君の彼氏が本を書いたって?面白いのかい?」
「もちろん」
「君がモデルかい?」
「あたしの一部」
「書き落とされた部分は?」
「真実」
アンナの場合(ラリーとの会話)
「奴と関係を?いつから?」
「去年の作品展の日から。ひどい女ね。」
「驚いたな。騙されたよ。僕と結婚した。」
「だから彼と別れたのよ。」
「子供がほしいと言った。」
「本当よ。」
「彼の子でもいい?」
「わからないわ。」
自分を知ってもらい、異性に自分を求めてもらうために、隠し立てなく自分の全部をさらけ出そうとし、結果として異性を「渡り歩く」ことになる女性・アンナ(ジュリア・ロバーツ)
心を許せる異性を求めつつも、失敗すること・傷つくことを怖れて(偽名を使い、ストリッパーという自分の体をさらけ出すことを生業としながらも)素の自分をさらけ出すことのできない女性・アリスことジェーン(ナタリー・ポートマン)
仕事の面でも異彩関係の面でも、自分に自身が持てず、常に安定感(?)を求めて女性を渡り歩く若い男性・ダン
医師という他からの尊敬を集める職業にあり、いわゆる「経験豊富」で異性関係にも自信に充ち溢れ、女性を攻略することだけに関心があり、その攻略された女性が他の異性に心を移すことで深く自尊心が傷つく男性・ラリー
四者が、それぞれ四様の恋愛観から、バートナーを失う様を赤裸々に演じたという点では、佳作であったと思います。評論子は。
(追記)
ラリーと言い争ったときのアンナの目付きが、評論子には忘れられません。自分とダンとの関係から、ラリーを失うかも知れないという、彼女の内心のその恐怖。
「目は口ほどにものを言う」とも言いますけれども…。彼女のその目付きは、彼女の内心を物語って、余りがあったと思います。
これぞ「迫真の演技」というべきではなかったかと思います。