サンセット大通りのレビュー・感想・評価
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零落女優、鬼気迫る演技
かねてから気になっていたが今回初めて観た。古い映画だが今観てもいささかも価値を減じるものではない。まず圧倒されるのはグロリア・スワンソン演じる往年の栄光にとり付かれ現実を見失った伝説的大女優の、ひとときも、どんな場面もおろそかにしない入魂の演技だ。 ハリウッド映画界の内幕物といえるが、その栄枯盛衰にあって取り残されたとも知らず、否、そうである事を受け入れることが出来ない往年の大女優の悲劇である。 冒頭、背後から銃で撃たれプールに浮かぶ三文脚本家ウィリアム・ホールデンの回想という倒置的な設定をとり終末を提示する。そこからホールデンのナレーションで舞台は半年前に遡る。 自己の脚本が売れず車のローンに追われ貧窮の生活をおくるジョー・ギリス(ウィリアム・ホールデン)がふとしたきっかけで往年の大女優ノーマ・デスモンド(グロリア・スワンソン)の荒れ果てた庭の大邸宅に迷い込む。そこで一時は追い返されるがジョーが脚本に携わると言う事でノーマの脚本の添削を頼まれそれがきっかけでジョーはそこに宿泊することとなる。その大邸宅にはクールでコツコツと任務をこなし忠実にかしずく執事マックス(E・V・シュトロハイム)もいた。 ノーマはジョーに高価な装飾品や衣服を買い与えていくうちにジョーに抜き差しならぬ情愛が乗り移っていった。しかしジョーは次第にノーマの情念の虜でいることが疎ましくなってゆく。 ノーマは容色衰えたりとも大女優であるという確信揺るがず往年の栄光にしがみつき銀幕に復帰する事を信じて疑わない。 一方ジョーは顔見知りの若いベティ・シェファー(ナンシー・オルスン)と再会し、ジョーの脚本の書き直しを共にすることになる。そのため毎夜ノーマの屋敷を空ける日々が続く。やがて婚約者がいるのにベティはジョーに愛を告白する。 ノーマはそれを察知し嫉妬のあまり手首を切る。 それを知ったジョーは邸宅を訪ねてきたベティにすべての真実をぶちまける。そして荷造ろいをして邸宅を出て行こうとする。 半狂乱になったノーマはジョーの背後に向けて銃を三発発射する。 この事件に駆けつけた警察官や新聞記者らの質問尋問に狂気したノーマはキャメラやフラッシュを本物の撮影だと思い込みマックスを撮影監督に見立て静々と階段を降りながら自作に迫真の演技をする。まさに凄絶な幕切れである
Scizoid!!!!
『情婦 (1957)』『アパートの鍵貸します (1960)』と立て続けに Billy Wilder 監督作品を観ているアタクシ。いやはや恐るべくは その驚愕の質の高さと、全く予想の付かない展開の妙である。小気味良い語り口は緻密に計算し尽くされ、全ての台詞/場面に“責任”とも言うべき意味が切れ味良く含まれる。観客が現実と虚構を彷徨う羽目になる配役、印象的で それだけで今作を名作たらしめる構図の数々、そして この『サンセット~』は更に、無声映画時代の大女優 Gloria Swanson 秒殺の怪演が観る者に剥き出しの狂気を突き付ける!!!! ん~~ん、これぞ scizoid!!!! 書いてるだけで身震いしちまうぜ。 豊かな主題を名人芸で描き分ける Billy Wilder──。益々 虜になりそうよん◎
スクリーンで初鑑賞という幸せ!
多くの名作選にリストアップされる本作、スクリーンで初鑑賞という幸運に恵まれました。 しかも事前には、多くの作品に影響を与えた偉大な作品であることしか知りませんでした、何という幸せ! ビリー・ワイルダー監督1950年の作品。グロリア・スワンソンの演技に終始圧倒されました。 素晴らしい上映会の企画に感謝、スクリーンサイズの変遷等の解説もありがたかったです。 2012.5.20. 福山市 シネフク シネマモード1にて鑑賞
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