劇場公開日 2004年12月4日

バッドサンタ : 映画評論・批評

2004年12月1日更新

2004年12月4日よりシネマライズほかにてロードショー

冒涜的なサンタが表層的な世界に揺さぶりをかける

今年のアメリカ大統領選では、ブッシュを後押ししたキリスト教の求心力が注目を浴びた。この映画がアメリカで公開されたのは昨年のクリスマス・シーズンだが、冒涜的なユーモアの連発に、感情を逆なでされた人も少なくなかったことだろう。だが、この映画が揺さぶりをかけるのは、宗教だけではないし、かといって商業化されたクリスマスという次元にとどまってしまうわけでもない。

ツワイゴフの前作「ゴーストワールド」のヒロインは、デフォルメされた黒人のポスターという、画一的な郊外で隠蔽されたイメージを表に引き出すが、差別の問題が起こるのを恐れた人々に排除される。郊外のショッピングモールを舞台にしたこの映画では、淫らな行為を目撃したマネージャーが、バッドサンタをクビにしようとするが、彼の相棒から小人への差別だと詰め寄られると、途端に沈黙する。サンタの冒涜は、そんな表層的な世界に揺さぶりをかけることでもあるのだ。

しかし、やりたい放題のバッドサンタも、妙に打たれ強いサンタ・ストーカーの少年にはかなわない。サンドイッチ(=パン)や血染めのプレゼントの交換など、彼らの絆が、冒涜とは対照的にどこか聖なる儀式を思わせるところも、実にひねりが効いている。

(大場正明)

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