「【脳にこびり付く!!最高のサイコ・ショー】」アメリカン・サイコ 芥さんの映画レビュー(感想・評価)
【脳にこびり付く!!最高のサイコ・ショー】
一時間四十分程、この映画に魅せられてしまいました。
コンマ数秒まで緻密に計算されまくっている今作。
登場人物のキャラクター性は無駄がなく作られており、深堀すればする程、この映画の旨みが染み出てきます。
一見ただのサイコ野郎に見えるパトリック。類似する事に一生懸命な同僚、又は上流社会。普通に生きる事とは何なのかという、最後は哲学的な問題すら感じさせられます。
「してはいけない事」をする事によって満たされていた快楽が、ラストシーンで自尊心までも破壊されるパトリックの不憫さ…。沢山の人間を殺害してきた鬼畜野郎なのにも関わらず、悲劇の主人公の様に描かれるラストは傑作です。
因みに、今作は言わずもがな、沢山の考察がされていますね。パトリックの妄想だったのか?であったり、パトリックの罪は揉み消された!であったり…。
僕の鑑賞後直ぐの考察は、事実も含まれているが、断片的な妄想も含まれている。というどっちつかずの印象でした。鑑賞後に頭に疑問符が浮かんだまま解説動画等を散見すると、色々な発見が出来て楽しいですね。
色々な考察を纏めると、正解は無いのかなと言う結論に至りました。現実なのか、はたまた非現実(妄想)なのか…。鑑賞者にこの様な疑問を持たせる事こそが、この映画の作られた理由なのかも知れません。少しJOKERに似てる部分があるかも知れませんね。
離れて見ればジョーク映画、深堀すればエッジの効いた皮肉映画。様々な見方ができる、素晴らしい映画です。
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