「最も切ないハッピーエンド・・・」アレックス ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
最も切ないハッピーエンド・・・
凄惨なレイプシーンで話題になった本作品。
こんな映画を好きだなんて言うと、人格疑われそうなんですが、なんか時折、見たくなっちゃうんですよね。
今回も、本屋で立ち読みした『後味の悪い映画』で紹介されていたことから、思い出しての鑑賞です。
ギャスパー・ノエ監督の不快感極まりない独特な映像(R18指定なんで容赦ないドギツイ映像でもあります)に加え、「メメント」みたいに時間が逆行していく展開に、頭が混沌としていきます。
【ネタバレ】
行きなり、エンドロールみたいな映像から始まって、先ず、訳のわからんオヤジの話?『時はすべてを破壊する』なんて言ってたら、外が騒がしくなってきた。事の起きた後で、警察や救急車で騒がしい。
そして、復讐シーン。犯人らしき男に辿り着くまでが混沌の世界で、薄暗く赤を基調とした画面で何を映しているのかわからない上に、左右上下がぐるぐるして目の回りそうな映像だった。
これでもかってくらいに、犯人らしき男をボッコボコにするところ、おー、あったあった。
犯人らしき男に辿り着くまでの様子がこの後も続く。 落ち着きのない映像で、慌てふためく心情が切々と伝わってくる。
今までの混沌と動き回っていた画面がピタリと止まってレイプシーン。 おー、こんな演出もされてたんだ。
改めて見て、なお衝撃だった。こんなにも凄惨だったのか。ひ、酷い・・・
事件前のパーティーシーン、パーティーに向かう地下鉄のシーンと、差もないシーンが続く。
友人と仲良くなった彼女に対し、自分との性行為に満足できなかったのかと問い詰める元カレ。フランスって、こんなに性に対してオープンなんだ・・・
このあとの幸せな二人のイチャイチャがまた良い。モニカのセクシーな肢体にくぎ付けです。
ラスト、妊娠がわかって、正に、幸せの絶頂。そこに至る前夜の安らかな夢で終わっていく・・・
この後に、あんな悲惨な出来事が起きてしまうのにって思うと、あの幸せそうな姿がとても切なく思えた。
こんな作品が好きってのもどうかとは思うのですが、自分のなかではこの衝撃が心地好い。画面がぐるぐる回ったり、チカチカした画面が長く続いたり、思いっきりグロい部分を見せつけたり・・・
とても、人に薦められる映画ではありませんが、ズッシーンと気分を落としたいときに一人でこっそり見たい一本です。