「英会話スクールや、最近銀行業へ参入した巨大企業が協賛してるかと思っていましたが、関係なかったようです。」イーオン・フラックス kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
英会話スクールや、最近銀行業へ参入した巨大企業が協賛してるかと思っていましたが、関係なかったようです。
CGを駆使したスピーディな展開で魅せてはくれましたけど、『キャットウーマン』の二の舞にならないだろうかと心配していました。しかし、演技が素晴らしかった『スタンドアップ』でもコンビを組んでいたシャーリーズ・セロンとフランシス・マクドーマンドのおかげでラジー賞候補から逃れることが出来たのかもしれません。ラジー選考委員はオスカー俳優にはきびしいと思われますし、もし『スタンドアップ』の公開が遅れていたらラジー賞の危険は大きかったことでしょう。『ホテル・ルワンダ』でオスカー助演女優賞候補になったソフィー・オコネドーも忘れられないキャラクターです。すいとんの術もびっくりでしたけど、足も手になってるんだから『キング・コング』もびっくりです。
カリン・クサマという日系女流監督の影響なのか知りませんけど、今回のシャーリーズ・セロンは黒髪です。また、番傘、日の丸、桜、畳のイス、襖等々日本を意識した映像が印象に残るところですけど、忘れてならないのはセロンの決めポーズであるスモウ・レスラーの股割りも強烈なインパクトを与えてくれます。過激なアクションも凄かったけど、彼女が最も苦労したポーズの股割り。『モンスター』撮影時以上に体重を増やせば、角界入りだって可能かもしれません。
何を書いてもネタバレになってしまいそうですが、冒頭のシーンやブレーニャのシーンにヒントが隠されていました。近未来SFにはよくあるその設定のためか、体重が異常なまでに軽いんじゃないかと思ってしまうセロンの華麗なるアクションと同様に、人々の命がとても軽く扱われています。姉妹の絆は固いのに兄弟の絆が薄っぺらいことも気になります。なぜこんな事態になったのかという原因の部分が全くないためかもしれません。これをもっと考えさせる映画にするならば、外界から隔離されているはずなのに汚染された牛肉や鶏肉を秘密裏に入手してこっそり食べる政府高官がいるなどというエピソードを追加したほうがよかったのかもしれません。
薄っぺらいと言えば、セロンの着ていた薄っぺらな衣装が欲しくなります。これだけでも観る価値はあったりして・・・