アバウト・シュミットのレビュー・感想・評価
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ジャック・ニコルソンの印象を覆す名作
“怪優”とも表現されるジャック・ニコルソンの多面的な魅力を味わえる作品をひとつ選ぶとすれば、個人的には『恋愛小説家』なのだけど、『シャイニング』とか『ア・フュー・グッドメン』といった作品での怖い演技とは対極の、いい意味で人の“脆さ”“弱々しさ”“情けなさ”といった人間らしさを表現してみせた本作にも、この役者の懐の深さを思い知らされる。淡々とした語り口のなかにアイロニーを込めつつも、単に“老い”を描くにとどまらず、人が人とつながって生きることの尊さをこんな風に描いてみせた演出の素晴らしさも相まって、とても観ごたえのある作品になっている。全てのシーンが、涙と幸せのラストシーンに収斂する作りは秀逸だ。
手前ェの人生ェ、手前ェで咲かせろ
【手前ェの人生ェ、手前ェで咲かせろ】 この映画と握手して泣きたかったけど、泣けなかった。 ヒマつぶしに他人の人生に絡んでくる無能なオッサンが、心底キモいと感じるから。 シュミットさん可哀想だし、淋しさはわかるけど、だったら趣味を始めるなり茶飲み友達つくるなりしなよ、と思って、ひどくイライラした。 ・・・観るタイミングを間違えたな。 もすこし年齢を重ねて観たら、はまるかも。 心に引っ掛けておいて、頃合いを見てもう一度観てみよう。 結婚式のスピーチと、帰路のトホホ感は好き。
皆、誰もが同じような...
主人公の様に定年後には、皆、誰もが同じような感じになるのでは?と思いました。 優しくて真面目な人ほど何をしていいかわからなくなったり皆や世間から置いてけぼりに なった様な気持ちになる時があるのでは?と。 コミカルだけど切なさもあるとても良い作品でした。
小憎たらしさと愛嬌を兼ね備えたおじさんにハマっていく映画
こんな役をやらせたら天下一品のニコルソン! モヤモヤする事も多いけどコメディタッチで 色んなとこが気になるけど 気づけばメッチャ感情移入してたw 定年退職して、仕事が生きがいのおじさんが突然社会から断絶される… 奥さんと第二の人生と思いきや、突然の不幸。 そこから巻き起こる様々なモヤモヤする出来事。 そこから考え方が変わっていく…と思いきやw 半笑いでツッコミを入れるとこ満載なんだけど そうしてる間にこの映画に引き込まれてってんだろうな って感じです!
"ンドゥグ"
年老いてもジャック・ニコルソンの隣には美女が似合う、だからこそ奥さんに対して思う気持ちがリアルに感じられない、白い液体を顔に塗りたくる場面はジョーカーになる手前みたいに思えるし、良し悪しの前にジャック・ニコルソン自体が本作に於けるミスキャスト!? ある意味での老害である反面、流石に娘の男を見る目がないのは父親に同情してしまう、ラストに感動を煽るような演出とエンディングロールはコミカルな音楽が。 娘が離婚して父親の元へ帰る日を願う。。。
【定年退職を迎えた男が42年連れ添った妻を突然亡くし・・。人生を見つめ直すことになった男を演じるジャック・ニコルソンのユーモアとペーソスと悲哀漂う姿が、可笑しくも胸を打つ作品である。】
■一流保険会社を定年退職したシュミット(ジャック・ニコルソン)。 平凡ながら幸せに暮らしてきた彼は、これから悠々自適の生活を送る予定だったが、妻ヘレンが急死。 今までの人生を見つめ直した彼は、愛する一人娘ジーニーの結婚式を手伝おうと、キャンピングカーで娘の住む地、デンバーへ向かうが…。 ◆感想<Caution! 内容に触れています。> ・冒頭の、シュミットが5時キッカリに会社を出るシーン。彼の定年退職の日だ。だが、彼を送る者はいない。そして、定年退職を祝う会場に出向く。 ー シュミットの最終役職が”副部長”という設定が絶妙である。役員が見える地位でもないが、偉く無い訳でもない。微妙なポジションなのである。(副部長の方がいらっしゃったら、スイマセン。)- ・その会場で、彼の地位を引き継ぐ若手のやり手の男への、嫌みタップリなスピーチ。 ー シュミットが、”小物”であることが分かる。だが、彼は愛すべき”小物”なのである。- ・毎日が日曜日になったシュミットだが、7時キッカリに眼を覚まし、郵便受けまで行って郵便に眼を通す。その中に有った、”チャイルド・リーチ”の案内の封筒。何気にそれを開けたシュミットは、アフリカの恵まれない子供達への一日22ドルの、献金に応募する。そして、彼は6歳の少年ン・ドゥグの養父になり、日々の徒然の想いを手紙に認める。 それは、主に妻、ヘレンに対する文句である。彼女の体臭、小用をするときに”座ってしろ!”と言われた事に対する憤慨・・。 ー だが、実際には彼はヘレンを愛しているし、小用をするときにも座っている・・。シュミットは”小物”ながらも良き男なのである。- ・そんな時、妻ヘレンが突然他界する。呆然とするシュミットだが、妻との旅行のために購入したキャンピングカーで、自分が生まれた土地、育った学校を訪れる。そして、結婚式の用意でバタバタしている娘の所にも行こうとするが・・。 ー この辺りのシュミットの”小物”感をジャック・ニコルソンが、絶妙に演じている。まさかの親友レイが、ヘレンに送っていたラブレターの束を見つけるシーンなど・・。又、漸く念願叶い、立って小用をするシーンなど、脳内爆笑である。何やってんだ!- ・そして、シュミットが最後まで結婚を反対していた、ジーニーの夫のランドールの家を訪れるシーン。ランドールの母、ロバータ・ハーツェルを演じるキャシー・ベイツの破天荒な姿が笑える。 ー 何処の家でも、一番偉いのは奥さんなのである・・・。- ・ジーニーの結婚式の前、シュミットがランドール家のウォーターベッドに馴染めず、首を痛めるシーンも可笑しい。何とか、父親としてソコソコ立派なスピーチをこなし・・。 <漸く、家に戻り、届いていた郵便の数々の中で見つけた、”チャイルド・リーチ”からの手紙。 そこに書かれていたシスターからの、自分が養父になった6歳の少年ン・ドゥグの近況。 そして、未だ字が書けないン・ドゥグが書いた、稚拙だがウォーレン・シュミットと、ン・ドゥグが笑いながら、手を結んでいる絵。 それを見た、ウォーレン・シュミットが、驚きから徐々に涙を浮かべて行く表情。 名優、ジャック・ニコルソンの真骨頂のシーンである。 今作は、定年を迎えた、不器用だが、愛すべき一人の男の姿を見事に描き出した作品である。>
ジャックの旦那の力技
よい映画というのは普通、監督、脚本、音楽、などが上手く連動して初めて成立するものですが、 この作品は監督や脚本も勿論いいんでしょうが、それらを遥かに凌駕するジャックの旦那の圧倒的存在感が全てを支配しています。描かれていないお父さんの過去まで鮮明に想像できるような演技は稀少です。これができるのはストリープ選手くらいですね。 ただ、あまりにも旦那が凄すぎるので4.5点でしたが、最後泣きそうになったので5点です。
退職後の手持ちぶたさで目的も無く過ぎる日々をコミカルに描いているが...
退職後の手持ちぶたさで目的も無く過ぎる日々をコミカルに描いているがラストの一枚の絵に感動が押し寄せる。 ジャック・ニコルソン最高傑作。 何度も観たい作品 鑑賞日:2015.1.29 最鑑賞
キャシー・ベイツ
タンザニアの子どもの里親になり、その里子への手紙が語りのメインとなる。ロードムービー風のエピソードあり、終盤は婚約者の母親ロバータ(ベイツ)とのストーリー。しかしまぁ、はっきり言って、脱ぐなよな・・・ベイツ。お風呂って、いい雰囲気ですけどね。
大好きな映画
15年ぶりに見ました。 最初見た時も、今回もやっぱり良かったです。 ありのままの人間。着飾らない映画です。 フツーにありそうな人生の悲哀と小さな幸せを淡々としたコメディタッチで描いていて、最後には爽やかに泣ける。 本当に大好きな映画です。
人の優しさ愛情を見る必要性
共感できる人がとても多いと思われる作品。主人公の立場に共感する同世代男性もいれば、娘、娘婿、家族側などさまざまな立場から見ることができる。 肝は娘の選択が明らかに間違いと、思わせるところ。娘婿は頼りなげでさらに怪しげで微妙なビジュアル。母親はじめ家族もどこか品のない感じ。 明確にはしないが、幸せの価値観を見失っていたのはシュミットの方。うわべではなく、人の優しさ愛情を見る必要性、それに気づかされるという展開。 孤独を癒やす子どもからの絵で、ラストの泣きもいい。さわやかな映画。
何を目指していけばいいのか。
人生はどんな風に、展開していくかわからない。寂しくても、やってはいけないこと、娘を信じること。失敗もさせてあげられるか。娘の結婚には、反対したくない。人妻には手を出さない。人には優しく。大切なことですよね。僕も頑張ります。 ゆったりとした時間があるときに、見たい映画。
退屈で秀逸な感動作
まずは哀愁漂う主人公を演じたジャック・ニコルソンが素晴らしい。 抑えて、抑えて、最後に解き放つ。 平凡というか、淡々というか、特に盛りあがりもない退屈なストーリーが、ラストシーンのこの演技ひとつで素晴らしいものに昇華しました。 きっと人生なんてロクでもなくて、それでいてかけがえのない瞬間の積み重ねなんだろうと、ほんのりした幸せに気づかせてくれた名作です。
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