劇場公開日 2004年7月10日

69 sixty nine : 映画評論・批評

2004年7月1日更新

2004年7月10日より丸の内東映ほか全国東映系にてロードショー

旬な男達が仕上げた今風のノリの青春群像

「GO」に続く、青春映画の秀作の誕生だ。1969年を舞台に、ケン(妻夫木聡)を始めとするイカ臭い男子高校生が、恋に音楽にイタズラに有り余るエネルギーを発散させていく。いいねぇ、便所の100ワット!

学生運動盛んな時代を描くとなると、得てして説教臭くなりがち。しかし原作となった村上龍氏の自伝的小説自体が、当時流行のバリケード封鎖をも好きな女性の気をひく手段でしかなかったという、真剣に学生運動に取り組んでいた人からすれば“自己批判”を強いられそうなナメた内容だ。そんな原作を、脚本・宮藤官九郎+李相日監督+主演・妻夫木という旬な男達が、今風のノリとテンポで軽やかな青春群像に仕上げている。

いつの時代も変わらぬ普遍的なテーマを描いているとはいえ、大人と子供の対立は当時ならでは。元・警察庁の佐々敦行氏が、以前、雑誌の対談で「当時の学生は真っ正面から警察に反抗してきたから、こちらもちゃんと催涙弾を投げてあげた(笑)」と語っていたが、本作品でもケンたちの悪ふざけに大人たちは時には正面から愛の鉄拳で、時には距離を置いて見守るシーンが多々ある。当時を再現した音楽やファッションより、こうした人間関係に懐かしさと、羨望すら抱いてしまった。

(中山治美)

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