「僕は死にましぇん」コントラクト・キラー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
僕は死にましぇん
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居眠りしている水道局員やバラ売りのマーガレットという設定時点で面白かったが、ストーリーそのものも最高級。臆病者のアンリはコンタクトキラーの新聞記事を読んでから、早速一味のいるバーへと案内してもらう。タクシー運転手としてはそんな秘密の場所まで知らなきゃいけないのかと驚かされ、やっぱりイギリスの運転手は違うなぁ・・・と思った。
マーガレットと相思相愛の仲になるやいなや、殺しをキャンセルしようとバーに赴くもビルごと壊されていた。なんとか殺し屋業の人間に会おうとするのに、今度は宝石強盗犯として新聞に載ってしまうアンリ。国外へと逃亡しようとする二人だったが・・・そして「労働者階級に祖国はない」というマーガレットの言葉に風刺がたっぷり。
肺ガンのため余命1カ月のコントラクトキラー。報酬を貰ったところで死んでしまうのだから無理して殺人を遂行しなくてもいいのだろうけど、その辺りがラストの展開への絶妙な布石となっていた。
日本のドラマ『101回目のプロポーズ』でのトラックに轢かれそうになるシーンは、もしかしたらこのカウリスマキ作品から?と、時代も近いし然もありなんですね。死んでたまるか!というテーマもそうだし。
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