「生きようと必死になっている奴は殺さない」25時 kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)
生きようと必死になっている奴は殺さない
9.11後のニューヨークを舞台に、社会派監督スパイク・リーが「アメリカ」を見つめた作品です。25時間後に服役しなければならない麻薬ディーラーの主人公。刻々とタイムリミットが迫ってくる中で幼馴染みや恋人、実父と最後の時間を共有するのですが、実に登場人物それぞれの人物像が丁寧に作られているので、とてもリアルです。 7年も刑務所で生きていかなければならないモンティは自業自得とはいえ、確かに悲壮感も絶望感も諦念も感じるのですが、彼だけではなく、それぞれが今まで生きてきた中で「何かしらある」負の感情が沸々と見え隠れしています。「でも夜が必ず明けるように人は止まってはいられない、だから今ある現状の中で自分が出来ることに出来るだけ近づける努力をしよう。」 終盤の朝焼けの3人の格闘、そして実父の「西へ」の妄想、もう1つあったかもしれない人生の語りを見て、そんなメッセージを私的には受け取りました。主役のエドワード・ノートンが極まっています。彼のファンなら絶対外せない作品です。
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