2046のレビュー・感想・評価
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天人五衰
最上位の存在でもその兆候に気を病むということなのか。。。
確か公開当初は日本での話題先行の割になかなか掛る映画館が少ない記憶があり、それこそ日本の芸能界とアジアの映画界との軋轢が取り沙汰された状況だけは朧気に記憶にある。ジャニーズが何で香港映画?ってな疑問だ。監督が指名したのか?それとも金城武のスケジュールが合わなかったのか? まぁそんなミッシングリンクを埋めるべく鑑賞したのだが、意外にも興味深い内容であった。SFの部分はあくまでイマジネーション的挿絵で、そこまで重要ではないが、但し場面展開的にはとても効果を発揮している。靴底のイルミネーションのCGなんて今でもアイデアは斬新だ。そして、そのSF小説を私小説に見立てて執筆するというプロットもアイデアの勝ちである。男と女の正に"演歌"的な情念を表現してみせた監督に今更ながら脱帽である。キムタクの出演シーンが増えてしまった点は、それ程マイナスとは捉えていないけど、確かにSFシーンのみに限定していれば、"ミニ金城"的登場で良かったとは思うのだが・・・(別に演技そのものはいつものキムタク節なのでそういうものだと認識しているのは日本に住んでいるからなのであろう)
それにしても、チャン・ツィイーの美しさは際立つことこの上ない。CMでの美表現が記憶に残る世代だが、こうして演技としての表現は目を見張るモノがある。あの駆け引きは同じアジア人として羨望の眼差しとして記憶に留めて置きたい。映像のスタイリッシュさ、鮮やかさ、室内セットの壁の質感等、鮮やかな色彩にも目を奪われる作品であり、今鑑賞して正解だったと強く感じた作品であった。
花様年華のその後
イケオジになったトニー・レオンもとい主人公は、結ばれなかったあの女性との美しい思い出を忘れるべく(というか反動?)、派手に遊び暮らし、幾人もの女を泣かせている。
そこに初めて、体が目的ではなくただ一緒に時を過ごしたい女性が現れる。主人公が求めていたのは、あのひとと同じ、小説を愛する女だった。(他の女とは全く態度が違う。)
あの頃と同じように二人で物語を創り、あの時と同じように彼女の幸せを優先させて自分は独りになる。せめて物語の中では彼女と結ばれるハッピーエンドにして…。
雨や屋上のネオンを入れたシーンが特におしゃれだった。
そしてキムタクって、あんなエモい顔して泣くんだと思った。なかなかいいものだった。
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