「ボブディランの映画を見る前の予習のつもりで見たら良作だった」ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
ボブディランの映画を見る前の予習のつもりで見たら良作だった
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今年ボブディランの伝記映画が米国アカデミー賞にノミネートされているので、予習でマンゴールド監督の過去作を見ようと、ボブディランよりずっと年齢が上で、もしかすると若きボブディランが影響を受けていたかもしれない米国のカントリー歌手の伝記映画があると(2006年作品)というので、見てみたらいい作品でした。
カントリー歌手ジョニーキャッシュを、ジョーカーのホアキン・フェニックスさんが演じていて、アーカンソーの貧しい農家の厳しい環境で生まれ育って、ザラザラとした人生観やぶきっちょな感じとか、幼いころに起きた悲しい出来事を乗り越えることが出来ずに大人になっても常に苦悩している姿にも共感できました。悲しみを癒す存在が音楽で、音楽を演奏してるシーンが本当に楽しいから、救いがあって、暗い話なのに、希望を感じました。
ミュージシャンの伝記映画、最近は「ボヘミアンラプソティ」や「ロケットマン」「ELVIS」等々発表されてきましたが、ドラッグに溺れて廃人状態になり、ビッグマネーが動く闇が深くてドロドロの芸能界の実相に、ボヘミアンラプソティやELVISは特に「夢を叶えようとすると代償が大きいんだ」ということを学んでしまって、虚しさが残ったりしたのですが、この作品は、ドラッグで廃人状態になったジョニーキャッシュがボロボロの状態から更生して、人間的にも成長して、笑顔で晩年を迎えられるようになった話なので、「救い」がちゃんとあるお話で、絶望しないで済みました。
ラジオ、トラクター、釣り、ジャクソン等々、好きなキーワードが増えました。
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