アンブレイカブル : 特集
イントロダクション
(編集部)
「シックス・センス」の驚異的なヒットは、インド出身の青年監督M・ナイト・シャマランを一躍スター監督にのし上げた。次回作となるこの「アンブレイカブル」で、彼は脚本料として500万ドル(約6億円)、加えて監督料としても500万ドルを受け取っているのだから、過去10年やそこら遡ってみたところで、彼以上に成功した映画人を見つけることはできない。
また、単なるアクション・スターからの脱却を図っていたブルース・ウィリスにとっても、「シックス・センス」は福音であった。前年「アルマゲドン」での不名誉なラジー賞受賞から一転、「シックス・センス」ではMTVアワードや、ピープルズ・チョイスなどの賞を受賞。批評家はともかく、観客から熱狂的な支持を得たことは、かつて「ダイ・ハード」ですらなし得なかったことである。そのウィリスは、「シックス・センス」に引き続き、シャマラン作品に連投することに何の障害もなかったようだ。
シャマラン=ウィリスのコンビが再現したことで、即、「勝利の方程式」が完成するわけではない。何といっても今回はハーレイ少年が不在である(彼は、昨年オスカー会場で遭遇したケビン・スペイシーとともに「ペイ・フォワード/可能の王国」に出演した)。代わりにシャマラン組に加わったのは、サミュエル・L・ジャクソンである。過去2度にわたってブルース・ウィリスと共演した経験のあるサミュエルだが、彼の存在は、この映画にある種の「格」を与えている。
何はともあれ、世界が注目する「アンブレイカブル」は、この春の最重要作品のひとつであることは間違いない。次なるシャマラン・マジックはどんな姿で我々の前に現れるのか。この3人のインタビューの中にヒントを見つけていただきたい。