THE JUON 呪怨 : インタビュー
「THE JUON/呪怨」
オリジナルビデオからスタートした「呪怨」はその怖さが口コミで広まり、日本でもヒットを記録した劇場版「呪怨」、続く「呪怨2」、そして2週連続全米ナンバーワンを獲得し、日本人監督作初となる興収1億ドル突破という偉業を成し遂げた「THE JUON/呪怨」へと進化した。手がけたのはジャパニーズ・ホラーきってのヒットメーカー清水崇監督。eiga.com編集部では、そんな偉業を成し遂げた監督に現在の心境と、ホラーへの“こだわり”を語ってもらった。
清水崇監督インタビュー
「僕が大事にしていたのはやはり“和のテイスト”なんです」 編集部
――映画が全米で大ヒットした感想は?
こんな成績になるとは思っていなかったので正直驚いてます。まだ実感がわかないです。
――「THE JUON/呪怨」は「怨念」「霊魂」「呪い」といった、日本人なら馴染みの深い、日本の文化に深く根付いたキーワードで表現できると思いますが、それらが海外で受け入れられるかどうかは心配ではありませんでしたか?
「リメイクするという話がきた時に、彼らは彼らなりの解釈で作品を書き換えると思っていたんです。するとサム・ライミから『日本のテイストがいいんだ。日本版が持っている独特の暗く、重苦しい雰囲気が僕はすごく怖いと思うし、アメリカ人にはそれは再現できないんだ。観客にとっては、そのテイストは新鮮に感じられると思うんだ。呪怨のリメイクではその雰囲気を持ち込んでほしい』と言われたんです。それならやり甲斐があるなと思ったんです。と同時に、それがわかっているサムはすごいな、この人となら一緒に仕事をしたいなと思ったんです。それでも、蓋を開けてみるまで、『果たしてアメリカ人に通用するのかな?』という思いはずっとありましたよ。海外の評価を聞くと『シンプルなのに怖い』という意見が多いようです。CGとか特殊メイクなど、どんどん派手になっているハリウッド映画の中で、本作は新鮮に映ったようですね」
――サム・ライミに初めて会った時の印象は?
「はじめは『スパイダーマン2』の撮影中だったんです。多忙で現場から離れられないということだったので、会いに行ったんです。撮影中の監督ってピリピリしているじゃないですか。にもかかわらずサムは優しく接してくれたので感動しました。最初は本当にサムが『呪怨』を観ているのかと疑っていたところもあったのですが、会うや否や『あなたが日本のホラーマスターか!』とか『あのときの演出はどうやって思いついたの?』とかいろいろ質問攻めしてくるので、本当に観てくれているんだなと実感しました」
インタビュー