スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃 : インタビュー

2002年4月2日更新

「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」

おなじみ小西未来氏が「エピソード2」全米公開直前に本作の中心人物たちにインタビュー。関係者が語る舞台裏を3回連続でお伝えしよう。

第1回 リック・マッカラム インタビュー

「『スパイダーマン』と張り合う気はぜんぜんないよ」

小西未来

ジョージ・ルーカス監督とずーっと一緒にいて、ルーカスよりよくしゃべる男、今や体型的にもルーカスとタメをはるプロデューサー、リック・マッカラム。「エピソード2」の舞台裏ネタはこの人に聞け!

――だいぶお疲れのようですが、映画を完成させたのはいつなんですか?

「実は3日前なんだ。2週間前、ジョージ(・ルーカス監督)がとつぜん追加撮影をやるなんて言い出して、バタバタしちゃってね。映画のラストで変えたいところがあるっていうから、急いでキャストを集めて。結局7日前まで撮影してたよ(笑)」

――今回、一番苦労されたところはどんなところですか?

「今回から全編デジタルカメラで撮影することにしたんだが、そのカメラの準備をたった半年間でやらなければいけなかったことが、まずひとつ。それから、すべての作業進行を調整するのも一苦労だった。車から建物のデザイン、コスチュームの準備なんかすべてを同時に進めなくてはいけなくてね。お互いの仕事が密接に関わりあってるから、遅れが一切許されないという状況で。さらに、膨大な数のVFXショットがあった。約300名のスタッフが2年かけてもぎりぎりになるまで仕上げられなかった。

まあ、プロデューサーとしては苦労だらけだったけれど、それでもなんとか乗り切ることができたのは、酒とたばことコーヒーのおかげさ(笑)」

――「エピソード1」に対しては、批評家だけでなく、一般のファンからも批判がありましたが、反省した点はありますか?

「あれは8歳の子供を主人公にした映画だったから、たとえば14歳以上の観客や、ハードコアのファンががっかりしたのは無理のないことだと思うよ。でも、あの映画があそこまで叩かれたのは、当時、「スター・ウォーズ」が社会現象化しまったせいだよ。メディアが盛り上げすぎたせいで、どんな傑作でも絶対にクリアできないほど、期待値が高くなりすぎてしまった。今回、大型のタイアップを組んでいないのも、そうした理由からなんだよ。いい映画なら、ちゃんと口コミが広がってくれるはずだと信じているから」

――「スパイダーマン」が記録的なヒットを飛ばしていますが、勝算はありますか?

「『スパイダーマン』と張りあう気持ちは毛頭ないよ。向こうはスクリーン数が多いから敵うわけないし。それに、こう言っても信じてもらえないかもしれないけれど、『スパイダーマン』が大ヒットしてくれたことを、ぼくとしてはとても喜んでいるんだ。みんなが、また、映画を心から楽しもうという気分に戻ってくれた証拠だからね。ぼくにとっては、公開3日間とか1カ月間の記録はどうでもいい。夏休みが終わった時点で、どれだけの数字を稼いでいるかってことだけに注目しているから」

――じゃあ、この夏最大のヒット作にならなくてもいいと。

「個人的には、ナンバーワンになって欲しいよ(笑)。ただより多くのファンに楽しんでもらえればいいと思ってる。まさに、『エピソード2』は、まさにファンのための映画だからね」

――「エピソード2」は、ラブストーリーもさることながら、政治的な話が多く入っています。これは、本来の「スター・ウォーズ」にはなかった要素だと思うのですが。

「いろんな要素はつまっているけれど、この新3部作の主役はあくまでもアナキンなんだ。そのアナキンが、ダークサイドに落ちていくプロセスを描くうえで、政治的な要素が絡んできているだけだよ。『スター・ウォーズ』の主人公たちは、ぼくらと同じように障害にぶつかる。障害にぶつかったとき、才能を生かして乗り越えられるかどうかが、この映画のテーマなんだ。アナキンの子供であるルークとレイアは、その障害を見事に乗り越えられる。彼らはそれだけのタフさを持っているからだ。しかし、アナキンには意志の強さがなく、ダークサイドに落ちてしまう。時間が経って、自分の子供たちが救い出してくれるまでのあいだ、ね」

――「エピソード7・8・9」が作られることはないのですか?

「それは絶対にないよ。2005年に『エピソード3』が公開されるときに、ジョージは60歳だ。彼は『スター・ウォーズ』によって成功したことはたしかだけれど、同時に呪縛されてしまっているからね。『エピソード3』を作って区切りをつけたら、もとの実験的映画の世界に戻ると思う。大衆性のかけらもない実験映画をやったり、以前「若きインディ・ジョーンズの冒険」をやったように、テレビシリーズを手がける可能性もあるよ」

――「インディ・ジョーンズ4」にあなたも絡んでいるのですか?

「いや、いまのところ、『インディ・ジョーンズ4』は2005年以前に公開されることになりそうだから、ぼくはノータッチになると思う。とても『エピソード3』と掛け持ちはできないから」

――では、あなたはインディ・ジョーンズの息子を誰が演じるかご存じないんですね。

「知ってるよ」

――え、じゃあ、教えてくださいよ!

「ふっふっふ」

インタビュー2 ~第2回 ナタリー・ポートマン インタビュー
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