シャーク・テイル : インタビュー
「タクシードライバー」「レイジング・ブル」「グッドフェローズ」などなど……数々の名作を送り出してきた映画史上に名を残す名コンビが、意外なところで復活。インタビューでも、その息はピッタリ(!?)な2人が演じたキャラクターは?
ロバート・デ・ニーロ&マーティン・スコセッシ インタビュー
「私たちは何年も、ふざけて言葉遊びをやるみたいな感じで話しているんだ」 森山京子
マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロが喋っていると、スコセッシの声が9割で、デ・ニーロの声が1割だ。早口で咳き込むように喋るスコセッシ、うー、あー、と間合いばかりが長いデ・ニーロ。それがそのままハリセンボンのサイクスとシャークのドン・リノになった。
――この映画に出たのはどうして?
デ・ニーロ:「アニメをやったら、子供にとって楽しいだろうと思ったんだ」
スコセッシ:「まったく同じ理由だよ。私はカッツェンバーグを20年以上前から知っているんだが、彼が、『マーティ、小さい子供が見られる映画をやるべきだよ』と言ったんだ。私には4歳半の子供がいるが、その子が見られる映画を普段は作っていないからね」
――2人一緒に録音したシーンもあるとか。
デ・ニーロ:「凄く良かったよ。一緒にやると触発されて別のエネルギーが出てくるんだ」
スコセッシ:「私は何もイメージしないで自分自身を演じただけだけど(笑)、あのシーンでは、普段ボブ(デ・ニーロ)と喋っている感じが出た。何年もあんな風に、ふざけて言葉遊びをやるみたいな感じで話しているんだ。我々が子供の頃に好きだったアメリカのボードビルや、アボット&コステロみたいに言葉をもじったりしてね」
――魚にデフォルメされた自分の顔を見て、どうでしたか?
スコセッシ:「君の顔はいいよ」
デ・ニーロ:「もう少し良い顔でも良かったのになぁ」
スコセッシ:「パワフルで気取っていたよ。私のは眉毛が濃くて、イメージぴったりだな」
――キャラクターと自分が似ているところはありますか?
デ・ニーロ:「父親として、ドン・リノの苦境は理解出来るよ。厳格さを代表するキャラクターが、映画の中でほとんどリベラルと呼んでもいいような親に変わってしまう。それはいいよね」
スコセッシ:「私がサイクスと似ているのは癇癪持ちのところだね。かなり近いよ」
――オスカーは名声が欲しくて嘘をつきますが、同じ体験はありますか?
デ・ニーロ:「あったかもね。役を獲得するために経歴に事実でないことを書くとか。マーティは何度も目撃しているだろ?」
スコセッシ:「可哀想な役者たち。乗馬が出来ると応募してきて、役が決まってから慌ててレッスンに行くんだ。みんな死にもの狂いさ。僕も映画を作るためには何でもした。当時はニューヨークでロケ場所を確保するのがすごく難しくてね。ニューヨーク大学の医療団体に属しているフリをして、いろんな所に入り込んだよ。建築現場から取ってきたもので小道具を作ったり。監督になるために泥棒や嘘つきのようなことをしていたんだ」
デ・ニーロ:「名声について、エリア・カザンが僕に言ったことがある。名声に慣れることは決してないものだと。気分はいいけど、本当の意味で心地良くはならない。そう言っていたのを、一生忘れないよ」
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