「ヒーローもヒロインも敵も消え、不要と考えられてた愛を知るAIプログラムが未来を導く少し嬉しいラスト」マトリックス レボリューションズ Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーローもヒロインも敵も消え、不要と考えられてた愛を知るAIプログラムが未来を導く少し嬉しいラスト
監督アンディ・ウォシャウスキー及びラリー・ウォシャウスキーによる2003年製作のアメリカ映画。原題:The Matrix Revolutions、配給:ワーナー・ブラザース映画
映像革命を起こしたと言われた映画の第三作として、映像には目あたらしいものは見当たらず正直ガッカリとさせられた。ただし、ハリウッド映画らしからぬストーリー展開は、かなり新鮮に感じた。
まずヒロインのトリニティー(キャリー=アン・モス)は前作と異なって、復活は無く死亡する。ハリウッド映画でヒーローは死ぬはずないと思っていたが、モーフィアスにより救世主と思われていたネオ(キアヌ・リーブス)も、どうやらエージェント・スミスもろとも
消滅してしまったらしく、待っていたのだが、第一作の様に復活もなされなかった。
スミス消滅によるプログラム・リセットのせいか、ザイオン(マトリックスから解放された人間たちが住む地下都市の名)を攻撃する大群のセンティネルズ(蛸の様な攻撃用機械)の動きは停止する。まあ、マトリックス出たい人間は開放するということもあり、めでたしではあるが、AIとの戦いに完全に人間が勝ったという訳でもなく、正義が悪に勝ったというハリウッド的構図でもない。
両親から愛されているサティという少女は、目的の無い不要プログラムということであったが、これが今後の世界で重要な役割(新しい預言者なのか?)を果たしていくだろうことを予見する様なかたちで、映画は終わる。生産性無しとされる存在の意義をウォシャウスキー兄弟(後姉妹)が主張している様で、何だか嬉しく感じた。愛されることを経験した感情有するAIプログラムは、きっと人間との共存共栄を先導していくのだろう。
製作ジョエル・シルバー、
製作総指揮アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー、グラント・ヒル アンドリュー・メイソン ブルース・バーマン、脚本アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー。撮影ビル・ポープ、美術オーウェン・パターソン、衣装キム・バレット、編集ザック・ステーンバーグ、音楽ドン・デイビス、衣装キム・バレット、視覚効果監修ジョン・ゲイター。
出演者 ネオ: キアヌ・リーブス、モーフィアス: ローレンス・フィッシュバーン、
トリニティー: キャリー=アン・モス、エージェント・スミス: ヒューゴ・ウィーヴィング、
ナイオビ: ジェイダ・ピンケット=スミス、オラクル : メアリー・アリス、
ロック司令官: ハリー・J・レニックス、リンク: ハロルド・ペリノー・ジュニア、
メロヴィンジアン : ランベール・ウィルソン、パーセフォニー: モニカ・ベルッチ、
ジー : ノーナ・ゲイ、ハーマン評議員 : アンソニー・ザーブ、ミフネ: ナサニエル・リーズ、
セラフ : コリン・チョウ、ベイン: イアン・ブリス、
アーキテクト: ヘルムート・バカイティス、トレインマン : ブルース・スペンス、
カズ: ジーナ・トーレス、キッド : クレイトン・ワトソン、
ウェスト評議員 : コーネル・ウェスト、ディラード評議員: ロビン・ネビン、
グレイス評議員 : フランシーヌ・ベル、ラーマ・カンドラ : バーナード・ホワイト、
カマラ : タリニー・ミューダリア、サティー :タンビーア・K・アトウォル。