「多分、私は6人目だと思うから。 あーそーゆーことね完全に理解した(ワカッテナイ」マトリックス リローデッド たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
多分、私は6人目だと思うから。 あーそーゆーことね完全に理解した(ワカッテナイ
仮想現実世界「マトリックス」で繰り広げられる、人間と機械の戦いを描いたSFアクション『マトリックス』シリーズの第2作。
人類最後の都市”ザイオン”に機械たちの大軍が迫る。タイムリミットが迫る中、ネオは戦争を終結させる為マトリックスの根源である”ソース”を目指すのだが…。
○キャスト
ネオ…キアヌ・リーヴス。
モーフィアス…ローレンス・フィッシュバーン。
『マトリックス』初期3部作は全て鑑賞しているはずなのだが、第1作以外の記憶は綺麗に消去されてしまっている。本当に1㎜も覚えていない。
これはよっぽど駄作だったんだな…と、少々身構えながら再鑑賞してみたのだが、なんのなんの!!普通にとっても面白いじゃないですか!!✨
鑑賞してみてまず思ったこと。めちゃくちゃ予算増えてる!!
前作は革新的な映像こそ目を惹くが、舞台となるマトリックスの内観はあくまでも我々が住む現実世界と同じ。近未来SF映画ではありますが、特別巨大なセットであったり壮大なロケーションだったりは用いていない。マトリックスとネブカドネザル号船内の2カ所でのみ物語は進行するので、ハリウッド大作にしてはこじんまりとした印象すら受ける作品でした。
前作の大ヒットを受けて作られた本作は、そのスケール感が全然違う!セリフのみでしか登場しなかった人類都市ザイオンが冒頭から惜しげもなく登場してきますし、カーチェイスシーンではなんと実際に高速道路を作っちゃった。まさに予算の大盤振る舞い。このエピック感にまずやられてしまいました!😆
特筆すべきはアクションのボリューム!中盤以降はとにかくアクション!アクション!!アクション!!!
釣瓶打ちの如く繰り出されるアクションシーンの連続にアドレナリンが出っ放しでした✨
アクションシーンの連続は、ともすれば映画から物語性を奪ってしまい、逆に退屈なんてことになってしまう。
しかし本作はそのアクションのバリエーションがとにかく豊富。ジェット・リーを思わせる功夫マスターとの大立ち回りに始まり、エージェント・スミス軍団との決闘、ホテル館内での死闘、ゴシック・ホラーな双子妖怪の登場、ハイウェイ・トゥ・ヘルなカーチェイスと、手を替え品を替えありとあらゆるシチュエーションのアクションが展開され、とにかく退屈している暇がない。
しかも、前作では素手か銃かくらいしか攻撃手段が無かったのだが、本作ではそれに加えて棒術、剣術、サイにカリ・スティックなど、カンフー・アクションの玉手箱かとツッコミたくなるほど多彩な武器術が披露される。モーフィアスに至っては日本刀まで振り回し始めるんだからもう大変!ブレイドかお前はっ💦
これだけの得物に加えツインズの幽霊化やスミスのコピー能力など、とにかくバトルの工夫が前作とは比べ物にならないほど進化している。流石にバレットタイムやワイヤーアクションにはもう目新しさを感じないが、それを補って余りあるアクションの多様化には舌を巻いた!見事👏
ルックのバカっぽさも進化。特に今回はエージェント・スミスくんが大張り切り!何十何百にも増殖したスミスが津波の如く攻め寄せるシーンなど、これもうほとんどギャグシーン🤣それを薙ぎ倒していくネオはさながら雑魚狩りをするゲームの主人公のようでした。
預言者とのシリアスなやり取りのすぐ後に、こういう笑って良いのか悪いのかよくわからないインパクトのあるシーンを挟み込む。これにより生まれる緩急がこの映画を味わい深いものにしているような気がする。
アクション面はめちゃ楽しめたのだが、ストーリーに関しては正直よくわからん。基本的に物語は説明台詞に次ぐ説明台詞で進行していくので、とにかくややこしいし全然頭に入ってこない💦完全に煙に巻かれてしまい、今この映画がどこに向かっているのか途中からさっぱりついていけなくなってしまった。
特に終盤、ソースに侵入したネオがアメリカ大統領みたいな爺さんに長々と意味不明な戯言を述べられるのには流石に辟易。そんなところまで押井守のやり口をパクらなくてもいいから…。
「私は6人目だと思うから…」みたいな、なんか『エヴァ』風なことをペラペラ言っとたけども、要するに世界をとるか彼女をとるか選べ!ということでっしゃろ?なら単刀直入にそう言わんかいっ!💢
人間vs機械という単純な図式だった前回に対し、今回から”エグザイル”という踊れるヤンキー集団…もとい自我を持ったバグのような存在が登場し物事をややこしくしている。機械軍団も一枚岩ではない、という事実が示されたことで物語に深みが生まれた、と捉えることも出来るのだが、彼らの物語に舵が切られた結果、ネオが本来救うべき”眠れる人間たち”の存在感が非常に薄くなってしまった。そのため、ネオやモーフィアスがただザイオンを機械軍団の侵攻から守るために戦っているように見えてしまい、なんだかありきたりなSFになっちゃったような一抹の寂しさを感じてしまった。
そもそも、この『マトリックス』という物語は前作1本のみで綺麗に纏まってるんですよね。正直本作の内容には、少年ジャンプの引き伸ばしを読んでいるかのような蛇足感を覚えてしまう。前作であんなにモーフィアスが口を割らないように白目を剥きながら頑張ってたのに、今回は冒頭からすでにザイオンの所在地がバレてる…。じゃあ前作の物語はなんだったんだよ!!
と、すっぽり記憶から抜け落ちているのも納得な意味わからなさ。ストーリーは間違いなく前作の方が洗練されている。とはいえ、アクションの面白さは凄まじいものがあるので、本作を鑑賞する価値は大いにあると思います。
さて、この意味わからん状況からどうやって完結にまで持っていくのか。期待しながら次作も観てみようと思います♪
…今作、やけに性的なシーンが多くなかった?ザイオンでのダンスパーリーシーンなんて、ネオとトリニティーのベッドシーンと交互にカットバックされるのでほとんど乱交にしか見えない💦
モーフィアスとリーダーと女船長の三角関係とかもやけに生々しいし…。
恋愛したりセックスしたりするのは人間だけの特権だ!というメッセージかとも思ったけど、ケーキに媚薬を仕込むフランスかぶれのオッさんとキス魔の奥さんはプログラムな訳だし。うーんわからん。
今作の過剰なまでの性的描写は単にウォシャウスキーズの趣味?