プライドと偏見のレビュー・感想・評価
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元祖英国ラブコメ
原作は夏目漱石も読んだ18世紀の世界的ベストセラー恋愛小説。最近、配信のラインナップにあったので観てみたら、男系相続社会での女性の婚活事情が描かれていて面白かった。
地方の貧乏貴族の子供5人は全員女。当時、相続権は男性にしかないとのことで、会ったこともない遠縁の男性に全部持っていかれる。なので、父親が健在の間に5人の娘達を片付けたいと母親がキーキーするのも無理はない。
主人公である次女は母親の圧には屈さない。おそらく当時の女性としては進歩的で、婚活を兼ねたパーティーも自然体で楽しみ、愛すべき人に出会えたらというスタンス。そして女らしくて美人の長女、努力が空回りしていて少し可哀想な三女、猪突猛進な四女と姉妹の行く末も絡み合って、あれ、これって次女は若草物語のジョーになるパターン?と心配しながら観ているうちに、気づけば、出会った時は最低の印象だった相手と…というミラクルハッピーエンドの王道ラブコメになっていた。
美術も優れていて、特にパーティーのダンスシーンは、踊り自体も盆踊りよりずっと運動量があるんだなと興味深くて(何と較べてるんだろw)、目を引いた。キーラ・ナイトレイはこの作品で高い評価を得たとのことだが、確かに主人公の雰囲気がとてもよく出ていたと思う。お姉さんの古典的美人な感じもジュディ・デンチの意地悪な感じも良かったし、お父さんもダーシーもチャラい若者も(私も騙されそうになったw)皆、好演だった。
読むべし。『高慢と偏見』『ジェーン・エア』それが結論。
イングランド版『若草物語』と言うよりは、イングランド版『渡る世間は鬼ばかり』だね。これから、大変だ。
18世紀のイングランドを舞台にしたジェーン・オースティンのフィクションだ。残念ながら、原作を読んでいない。だから、比較は出来ないが、僕はイギリスの女流作家と言えば、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』とどうしても比較してしまう。そして、更に残念な事にまだ、ジェーン・エアを読んでいない。シャーロット・ブロンテの作品を読まなければとこの映画を見て感じた。何故なら、シャーロットブロンテはこの作品(原作)を酷評しているとウィキペディアには書かれていた。
なかなか、良く描かれた映画だと思ったが、言うまでもなく古い価値観で、産業革命、フランス革命、アメリカ独立を全く無視している。勿論、原作がそうなのだから、仕方ないが。シャーロットブロンテの酷評の根拠もそこにあるようだ。とすれば、残念ながら、エミリーブロンテのファンである僕としては、原作を比較しても、余り評価できないのかもしれない。しかし、余りにも美しく綺麗さっぱりと叙事の部分を外している事になにか意図があるような気もする。
だから、ひょっとすると、原作は女流作家として、名作家なのかもしれないとも感じた。
読むべし。『高慢と偏見』『ジェーン・エア』それが結論。
この映画の女優さんリリー・ジェームズさんじゃないですね。綺麗な女優さんだと思った。
壁紙にしたい景色が満載
景色がとてもきれいで、終始映像から目が離せなかった。
ベネット家もにぎやかで良い。女性が多いと華やかだ。父親も名優が演じただけあって良い味が出ていた。
個人的には、ジェーンとビングリーの恋愛成就が、とてもほのぼのしていて印象に残った。
ダーシー様は大好きですが、結婚した後が気になる……
みなさんがおっしゃるように、美しい映画でした。
お城の装飾やしつらえなども豪華だし、18世紀当時の世界観がとても丁寧に作られています。
始めは偏見と誤解から始まる2人が少しずつ誤解を解きながら惹かれ合う様子も、今みたいに「口論した後にキス」とかいう単純なものではないです。
情報源が人の噂話や、手紙のやりとりや、直接の話し合いなのに、なかなか簡単に会えない時代なので誤解を解くのが難しいです。
始めに接してしまった偏見と間違った情報からの誤解を払拭するのがとても難しい時代だなあって思いました。
ダーシー様に対する偏見と誤解が少しずつ紐解かれて、不器用で誠実な人じゃん!って胸がキュンってなります。
恋愛っていいなぁって思わせてくれます。
ダーシー様が草原の中から現れた描写は、夢のなかから王子様が現れたように思いました!
ですが!!
私も結婚して○○年が経過しようとしてますが、結婚って現実ですよね。
惹かれあってドキドキしていた時はメチャ楽しかったですが、結婚ていうとそうは行きません。
最後の方で、ダーシー様のおば様が夜中に突然家に押し入ってきた挙句、エリザベスに高慢に詰め寄って来て怖いです。
いくら好きでも、超お金持ちの家で、身分も違って、尚且つそんな恐ーい恐ーいおば様が親戚になるなんて…
結婚した後、どんな嫌味を言われたり嫌がらせをされるのか(きっと主人公のエリザベスは負けないと思いますが)と考えると、最後結ばれてハッピーエンドで良かったね!ってちょっと思えなかったです。
でも、家の外でウロウロと落ち着かない様子で、でエリザベスのお父さんの許可を待っているダーシー様は本当に可愛らしくキュートでした。
不器用だけど純粋で真摯なダーシー様が大好きになる映画です。
メアリーのスピンオフってないかな?
英文学はあまり好まず、原作も読まず嫌いだが、鑑賞してまず思ったのは「メアリーが一番興味深い人物なのに完全に扱いが粗末でもったいないな」ということだった。あの不器用さと屈折具合は、とても優れたヒューマンコメディの素材になるはず。願わくば彼女なりの幸せを手に入れてほしい。
邦題は「プライドと偏見」だが、自分が高校生くらいの頃は、「自負と偏見」という邦題にされていた。いま書店へ行くと「高慢と偏見」である。初めてストーリーを知って、これは「高慢という偏見」だろうと思った。ただそれだとこの話の一部しか言い当てていないので「自負への偏見」というのが最もしっくりくるかななどとつらつら考えた。
「眺めのいい部屋」を想起し比較しながら見てしまった。ダーシーは、ジョージ・エマソンと比べると優しいが常識的に過ぎる。ジュリアン・サンズが演じたジョージのクレイジーなほどのスケールの大きさが、当時の階級社会の打破には必要だったのではなかったか。
キーラ・ナイトレイ演じるエリザベスは、ヘレナ=ボナム・カーター演じるルーシー・ハニーチャーチと同等の情熱と、ルーシーを上回る論理的思考力を兼ね備えていて魅力的だったが、個人的にナイトレイの笑顔が苦手で、誰か別の俳優だったら…と思う。ちなみに、ピアノの腕前はたぶんルーシーに軍配が上がるだろう。
ジェナ・マローン演じるリディアのプッツンぶりも豪快で、あとちょっとやり過ぎると薬物中毒者スレスレの感じが良かった。役柄の幅が広く、個人的に好きな俳優さんだ。
階級を超えた愛にはあまり興味がないが、封建的な社会で、メアリーのような不器用で屈折した女性がいかにして生きていくのかにはとても興味がある。世俗の権化のような母親との噛み合わないやりとりや、品性に欠けるキティとリディアに振り回される姿など想像するだに、ああスピンオフが観たいと思うのだった。
そうそう。音楽は素晴らしかった。これで1ポイント上げておくことにする。
5人の美人の娘を持つ父親の気持ちとは
5人姉妹の話で、それぞれにエピソードがあり、しかも長い映画だったが飽きることがなく、面白く見ることができた。衣装やお城等、見ていてリッチな気分にもなれる。キーラ・ナイトレイがきれいだった。この映画を見たときには気づかなかったが、今では主役級になっているロザムンド・パイクやキャリー・マリガンも出ていたんですね。あと、ドナルド・サザーランドが渋い演技で、娘を嫁がせる父親の心情をよく表していたと思う。
会話は誠実でなければならない
映画「プライドと偏見」(ジョー・ライト監督)から。
原作は、ジェーン・オースティンの同名小説「高慢と偏見」
原作がしっかりしていると、安心して観ていられる、と
何度か映画レビューでも書いた。
最近のラブストーリーは、キスシーンやSEXシーンまで、
とにかく触れ合うことで、愛しあっていることを表現するが、
この作品は、そういったシーンは皆無だけれど、
2人が少しずつ惹かれ合うことが感じられる作品とも言える。
主人公の名は、女性が「エリザベス」、男性が「ダーシー」。
最終的には、ハッピィエンドとなる2人であるが、
冒頭、詩、愛情について意見を交わす場面がある。
女「詩には愛を遠ざける力があるんですね」
男「詩は愛の糧かと・・」
女「詩は強い愛には糧ですが、弱い愛には毒です」
男「愛情を育てるには?」
女「相手にそそられなくても踊ることです」
この会話の前に、ダーシーがエリザベスの印象を
「悪くないが、そそられはしないな」と語ったことを知り、
こんな会話へと続く。
イギリス田舎町の素敵な景色と重なり、作品全体が美しいし、
「彼はとても誠実です」「会話は誠実でなければならない」など、
「誠実」という言葉が浮かび上がったラブストーリー。
そう言えば、最近「誠実」という言葉、聴かなくなったなぁ。
Did I just agree to dance with Mr. Darcy? 美しい✨
「文学映画を観てみよう」シリーズ。先日観た「若草物語」が面白かったので、文学映画にちょっと興味か沸いたので本作も観てみました。なんというか凄く美しい作品でした。
原作の小説が200年前の物ってのも驚きなのですが今までに何度も映像化されているので、どう独自のカラーを出すかが新しく作るポイントだと思うんですよね。で、本作は映像が兎に角美しい。パーティーシーンで使われる長回しやダンス・シーン、クルクルブランコや切り立った崖に立ってるエリザベス、朝靄の中の最後の告白シーン等々印象的なシーンが盛りだくさんです。カメラ・ワークがメッチャ凝ってる。ジョー・ライト監督上手いなぁ。
個人的にラストの方でダーシーとビングリーがベネット家を訪ねて来るときに皆でワタワタしてるシーンが好きでした。ドアを開けたら妙にまとまってるやつ。で、一旦ベネット家を出た後に告白の練習するビングリーとダーシーが良かったですね。
この頃のキーラ・ナイトレイってホント輝いてますね!綺麗なだけの女優さんではなく、最後のシーンの父親と話している時の表情とか演技とは思えない。素晴らしいです。個人的にはドナルド・サザーランドのお父さんも良かったなぁ。コリンズとの結婚問題の時に見せる優しい父親っぷり。理想的ですね。最後がドナルド・サザーランドで終わるのも良かった。
文学が原作の映画ってだけで敷居が高いようで勝手に身構えちゃう所があるのですが、やっぱ昔から語り継がれて来たストーリーは面白いですね。偏見を持たずに色んな作品を観るべきだなぁっと思いました。
美しい映画
何気なく観た映画でしたが、想像以上によかったです。
主演のキーラ・ナイトレイは本当に美しいですね。視線(目)の使い方がとても印象的でした。風景や建物、衣装、部屋の内装や彫刻等も綺麗で、映像を眺めているだけでも心が洗われる気分です笑
特に最後のプロポーズされるシーンでお姉さんが着ていた、ピンクのリボンで切り替えをいれた白いワンピースは可愛くて乙女心をくすぐられました笑 娘たちの髪型も可愛いです♡
恋愛ストーリーとしては、最初は嫌いだった異性を最後は好きになるという少女漫画でもよくあるような話ですが、最後の告白シーンは分かっていても悶絶ものでした笑
当時の時代や習慣等の舞台背景を知れば、より深く楽しめるかもしれません。
原作を読んだことがないので、ぜひ読んでみたいです。
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