パンチドランク・ラブのレビュー・感想・評価
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恋するパンチドランカー
プリズミックな色彩感覚に優れた切り絵のようなジャケットが目を引く。それはお伽話の一場面のようだ。本作はキレやすく情緒不安定な男のちょっと変わったパンチドランク・ラブストーリーである。混乱したバリー・イーガン(アダム・ドライバー)の心象風景により,観客も混沌の渦に巻き込まれる。軸はシンプルなラブストーリーなのだが,そこにテレフォン・セックスが絡んでくる展開が可笑しい。ポール・トーマス・アンダーソン監督の作品は一筋縄にはいかない。安いプリンを買ってマイルを貯め,海外旅行に行く話も,テレフォン・セックスの元締めディーン・トランベル(フィリップ・シーモア・ホフマン)からイーガンがしばかれる件もなんだか現実感がない。しかし,掴みどころがなく,浮遊感に満ちているこの映画にリアリティがないという批判は当たらない。この映画は社会不適合である主人公が夢幻と現実を往復するなかで,恋を成就させていくすてきな物語なのである。その不器用で可憐な心理は現実に深く根差している。監督は,本作を「当て書き」したという。この物語はアダム・サンドラーのもので,代替不可能な作品に仕上がっている。
女性とエロい話しして、何が楽しいのか? 理解出来ない。 典型的なマ...
女性とエロい話しして、何が楽しいのか?
理解出来ない。
典型的なマザコンの1種。シスターコンプレックスって奴。
現代のおとぎ話
<うろ覚え/思い出しレビュー>
過去に、たぶん二、三回鑑賞。
この映画、95分だったのね(もっと長く感じる)。
あと、☆3.4か、、、(当時の)評論家&ライター受けはけっこう良かった気がしたんだけど。万人受けしないってことね。
私は、たぶん初めて観た時から、好きです。現代のおとぎ話だと勝手に思ってる。
上述のように、あまり95分の短さを感じさせない(=テンポがかったるい)ところはあるし、雰囲気が独特なので人を選ぶかもしれない。
けど、すごくかわいい映画です。
7人の姉にからかわれ、虐げられて育ったせいもあるのか、キレやすく情緒も不安定なバリー。 でもある日、理想の女性(たぶん)と出会い、海外出張中の彼女に会うためにマイレージ連動型のプリンを爆買い。かと思いきや、いわゆるセクシー電話でカード詐欺に遭い、詐欺の元締めと直接対決に挑む、、。
たぶんちょっと(設定が)年上だと思うんだけど、ヒロインに母の愛を感じます。彼女もたしか傷を抱えていたと思うし、病んでいるのがバリーだけではない、というのがいいですね。病んだ現代のためのおとぎ話。ベッドでちょっと猟奇的な発言してましたしね、ヒロイン(笑)
主人公がひどい
前に見た時は主人公がすごく嫌いで、なんでこんな映画が評判いいのか理解できず思わずもう一度見たら、やっぱり嫌いだった。
それから多分10年以上経ってまた見たら、主人公がひどい人間なのだが、彼に寄り添うような暖かい目線で描かれていて、とても愛すべき映画であると思った。
嘘ばっかりついていて、ズルが好きで、ばれるとキレるなど、あんまり友達になりたくない人物なのだが、しかしだからと言って彼みたいな人物が絶滅すればいいかと言えば全くそうじゃない。彼は彼なりに苦しんでおり、人生にもがいている。キレた時に、敵と戦う姿はとてもかっこよかった。プリンの会社にクレームするのと、テレクラにクレームするのは同じクレーマー気質の裏表だ。
カーペット屋に乗り込んで放火しれやればいいと思ったのだが、「降参だ」で済ますところが、この映画のいいところだ。
見返してとてもよかった。
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