劇場公開日 2002年5月18日

「ダイニングや建物内部を動くカメラワークは見る価値あり!」パニック・ルーム 足立佑介さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ダイニングや建物内部を動くカメラワークは見る価値あり!

2021年8月27日
PCから投稿

物語の大筋は結構シンプル。

ジョディ・フォスター演じる母親と娘が引っ越した家に強盗が襲来。
パニックルームと呼ばれる緊急避難用の隠し部屋に逃げ込みつつ強盗と攻防を繰り広げる、というストーリー。

ジョディフォスターと言えば、怯えつつも戦う女性というイメージが強いですね。
本作でも娘を守るために、強盗との心理戦を繰り広げます。

舞台はクローズドで登場人物も多くはないですが、ストーリーには動きがありますね。

例えば、娘が糖尿病でインスリン注射を確保するために、パニックルームから危険を冒して出ざるを得ない、など、設定をうまく活かしている印象。

また、本作の注目すべきはカメラワーク。
縦横無尽に突き進み、ダイニングテーブルの高さを移動したかと思ったら、マグカップの取ってをくぐり抜けたり、建物の構造や配管を描き出すカメラワークは当時は斬新で新鮮味があったように思う。

ただ、映画としては「悪くない」というような映画。
確かに緊張感はあるし、面白くないわけではない。
ただ、一つ一つの展開が長かったり、登場人物の行動が理解できなかったりが多く、全体的にそこそこという映画。

結構シンプルで、映像演出の面白さはあるので、深く考えずに見られる映画の一つだろう。

足立佑介