「【フィリップ・K・ディックの短編小説「少数報告」を基にした近未来ハードSF映画の逸品。今作を観ると、改めてスティーヴン・スピルバーグ監督って凄いなと思ってしまう作品である。】」マイノリティ・リポート NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【フィリップ・K・ディックの短編小説「少数報告」を基にした近未来ハードSF映画の逸品。今作を観ると、改めてスティーヴン・スピルバーグ監督って凄いなと思ってしまう作品である。】
■2054年のアメリカ、ワシントンD.Cが舞台。
犯罪を起こす人物を3人の予知能力者たち”プリコグ”に事前に割り出させ、犯行前に拘束する犯罪予防局。
その為、6年間殺人事件は0件を維持している。
その予知システムの全国展開を図るラマー・バージェス局長(マックス・フォン・シドー)だが、司法庁調査官のダニー・ウィットワー(コリン・ファレル)が、システムの完全性を調査するために視察に来る。
犯罪予防局のチーフを務めるジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は、自分が殺人を犯すと予知され、自分自身もその映像を見て、半信半疑ながら仲間たちから追われる。
嫌疑を晴らそうとする中、彼は自分に仕掛けられた陰謀と黒幕の存在を感じ取っていく。
実は、彼は6年前に一緒にプールに行った幼き息子ショーンを何者かに誘拐され、妻のララとは破局し、異常なほどに捜査に取り組んでいた。
◆感想<Caution!ネタバレしてません!!>
・今作の公開年は2002年であるが、今観ても2054年の様々なSFガジェットに違和感がない。というか凄いハイクオリティな映像に驚く。
・ストーリー展開も、ジョン・アンダートンが犯罪予防局捜査官達から逃れるために、眼球チェッククリアーをねらい、怪しい医者に両目を交換したり(ここ、凄い怖い。痛そう。)ハラハラドキドキのスピード感あふれる展開に、一気に引き込まれる。
・ジョン・アンダートンが”プリコグ”の中の一体、アガサを連れ出し真相究明する過程は更に凄い。そして、三体の”プリコグ”の予想が違う場合は、「少数報告」として廃棄されることを知ったジョンは、自分の殺人映像が「少数報告」であると信じ、奔走する。
・そこからの怒涛の展開も凄い。ジョンが殺したと予言された男リオ・クロウ(マイク・バインダー)の部屋に行くと、彼は”知らない男から頼まれて、行っただけだ。殺してくれ。出ないと家族に金が入らない。”と訴えて、自ら殺されることを希望するのである。
その後、その現場に来たダニー・ウィットワーは”或る人物”に射殺されてしまうのである。
<イヤー、凄いですねえ。面白いですねえ。ストーリー展開の秀逸さも絶品の近未来ハードSFの逸品である。
今作製作の意図が、9.11によりアメリカ政府が国民のデータを一元化して管理する話に対してのスティーヴン・スピルバーグ監督の”人間に頼らないシステムの脆弱性”を示唆した作品などと言う説を読んでしまうと、更にスティーヴン・スピルバーグ監督の凄さを感じてしまう逸品である。
今作は、SF映画好き且つどんでん返し好きの貴方には、タマラナイ作品であると思います。>
NOBUさん、5000レビュー、おめでとうございます。すごい数字ですね〜!
そっか、これ、スピルバーグ監督なんですね。恥ずかしながら、知らなかった。あらためて、さすがですね。