「近未来的な世界観が良い」マイノリティ・リポート 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
近未来的な世界観が良い
『ターミナル』に続き、スピルバーグ監督の映画ということで鑑賞。
スピルバーグ監督って、セットの作り込みなど演出面は素晴らしいが、ストーリーは何だか子供っぽくて人物描写も単純で浅い作品が多い印象がある。しかし今作にはそういった悪い印象を受けなかった。ストーリーは先の展開が気になり面白い。個人的に一番好きなのは世界観。ホログラムを操作して犯人を特定したり、曲線のフォルムを持つ車が謎の動力で走ったりする近未来的な世界観も、原作者が同じ『ブレードランナー』『トータル・リコール』を連想させられるもので良かった。
いくつか疑問点もあった。(1)犯罪予防局のメンバーはあれだけで足りるの?(2)主人公ジョンの息子ショーン誘拐の黒幕は一体誰で何目的だったのか。(3)予知能力者アガサの母親を殺したのは、局長個人の陰謀によると思わされる展開だった。その目的がアガサを拘束し彼女の能力を犯罪防止のため使い続けることにあるのならば、局長個人の思惑ではなく国家単位の陰謀とした方が、ストーリーとして自然な気がする。(4)ジョンが冤罪だとはいえ、あれだけ暴れて最後は普通に釈放されているのが疑問。
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