劇場公開日 2002年12月7日

「転がり落ちる球体、近未来都市」マイノリティ・リポート Don-chan(Daisuke.Y)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0転がり落ちる球体、近未来都市

2024年3月24日
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鑑賞方法:VOD

知的

アメリカ同時多発テロ事件後の情報統制へのアンチテーゼを含んでいる。
監督はスティーヴン・スピルバーグ。
2002年劇場公開作品。

2054年、デジタル技術による犯罪予防システムで殺人発生率はついに0%。
そのシステムはプリコグ(預言者)3名の予知能力に頼っている。
刑事ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)が、マイノリティ・リポートの秘密にたどり着くという話。
司法省の調査官ダニー・ウィットワー(コリン・ファレル)のサスペンダー姿と正義感は格好良かった。

転がり落ちていく球体の物が頻繁にズームされる。
落とさないようにしたり隠したり、落としたり失ったりする。
球体は地球の象徴かもしれない。
それは太陽の周りを秒速29.8kmで公転しているらしいが、計算上であり仮説である。
今作の犯罪予防局は、国家の上部組織の象徴であり、秘密を保持し情報統制をしている。
球体説のような、この世界の大いなる捏造は転げ落ちるかもしれない。
などと想像を掻き立てられた。

内容の面白さだけではなく、斬新な映像も魅力。
ワシントンD.Cの描写は、手塚治虫作品『鉄腕アトム』の近未来都市風景のようで、それだけでも見る価値がある。
劇中に登場する赤いクルマ「レクサス2054年式」は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のタイムマシンとして人気の「デロリアン・DMC-12」ほど目立った活躍をするわけではないが、未来を感じさせるその美しいフォルムデザインは印象深い。

Don-chan
CBさんのコメント
2024年3月26日

そつか。マイノリティリポートって、スピルバーグだったんですね。すごいなあ、この人。

CB