「物語がつながらない」マジェスティック よしさんの映画レビュー(感想・評価)
物語がつながらない
1950年代。赤狩りにより映画界を追われた脚本家。記憶喪失になり辿り着いた村で大戦の未帰還兵に間違えられ、騒動の中心となってしまうお話。
物語は二つのテーマが描かれます。
一つは、記憶喪失の主人公が辿り着いた街。多くの若者を大戦で亡くし悲嘆に浸り、寂れ、活気を失った街が、主人公の『帰還』で笑顔と活気を取り戻す様が描かれます。レッドパージが吹き荒れるアメリカ社会から隔離された、御伽の国のような街で繰り広げられるファンタジー。
終盤からはリアル。レッドパージに対するハリウッドの、そして監督フランク・ダラボンの怒りを、主人公を通して訴えます。
ただ、私的評価は3。
どうしても、上記二つの主題が私にはつなぎ合わせることが出来なかったのが理由です。極端に言えば、まったく別のお話のように感じられます。
結果、クライマックスのカタルシスを感じることが出来ませんでした。
例えば、記憶喪失が中盤で治り、主人公のレッドパージへの恐怖と諦めを描けていれば、物語をつなげることが出来たかもしれませんが・・・
コメントする