ライフ・アクアティック : インタビュー
ウェス・アンダーソン監督インタビュー
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――今回は、パートナーのオーウェン・ウィルソンが脚本執筆に参加していませんよね。彼が俳優業で忙しいからですか?
「その通りだよ。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』で一緒に脚本をやったときでさえ、彼は俳優業で大忙しだったし」
――オーウェン・ウィルソンとの脚本執筆ってどんな感じなんですか?
「ぼくはどちらかというと、ゼロから物語世界を作り上げることに興味があるんだ。ああでもない、こうでもないなんて悩みながら、こつこつと積み上げていく。オーウェンのほうはと言うと、もっと即興的なんだ。ぼくの書いた脚本をちらっと読んだだけで、うまくいっていないところを簡単に見抜いて、改善案をぽんぽん出してくる。ぼくなんかのように、スランプに陥ることはないんだよ。彼がついていてくれると、ぼくも安心して脚本執筆に打ち込めるんだ」
――俳優オーウェン・ウィルソンをどう見ていますか?
「実は、ぼくは彼がコメディ俳優になるなんて予想してなかったんだ。ずっとシリアス俳優だと思っていたから、陽気でイージーゴーイングな兄貴っていうイメージが定着したことに、ちょっと驚いている。ぼくが好きなのは、『エネミー・ライン』での彼なんだ。ジーン・ハックマンに怒りをぶちまける場面なんて、最高だと思った。もっとああいうキャラクターに挑戦したらいいのにって思うよ」
――新しいパートナーであるノア・ボーンバッハとは、脚本をどのように作り上げていったのですか?
「ぼくが登場人物の設定とか、映画の骨格となるアイデアを出して、それから2人で脚本を作り上げていったんだ。毎日同じレストランに通って、1日2食、そこで食事を取りながらね」
――今回は今まで以上にディテールに凝っていましたが、あなたのアイデアですか?
「美術や衣装に関しては、ぼくがこだわったけど、キャラクターの特徴については2人で作っていったんだ。共通の友人の癖を盗んだりして」
――次の「Fantastic Mr. Fox」(ロアルド・ダール作「父さんギツネバンザイ」の映画化)も、「ライフ・アクアティック」の延長上にある作品のようですね。
「うん。ノアと脚本を書いて、アニメは『ライフ・アクアティック』でも参加してくれたヘンリー・セリック(「ナイトメア・ビフォア・クリスマス)だからね。実はノアとは別の企画もやってるんだ。まだスタートさせたばかりで、どんな物語になるか自分たちでもわかってない状況なんだけど。物語の舞台は、なんとインドなんだ」