「深化してエモくなった伝説!」キング・コング しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
深化してエモくなった伝説!
第78回アカデミー賞視覚効果賞受賞作。
通常スクリーンで鑑賞(字幕)。
今は無きシネマデプト友楽にて。
オリジナルは鑑賞済み、ノベライズは未読。
オリジナル版は何回か鑑賞済みだったので、自分の中に比較素材は充分揃っていました。どちらが優れているか見極めてやろうと云う気持ちでした。しかし、そんな態度で観て申し訳ありませんと謝罪したくなるくらいVFXの迫力に興奮し、情感溢れるドラマに感動しました。生意気な小学6年生め(笑)。
さすがピーター・ジャクソン監督。映画の世界を志すきっかけとなったオリジナルへの強いリスペクトを感じました。リアルなCGで描かれる髑髏島の生態系。コングと恐竜たちの大バトル。完全再現された1933年のニューヨークの街並み。エンパイア・ステート・ビルで繰り広げられる最後の死闘。たくさん見どころがあり、あっと言う間の188分でした。
アン・ダロウとコングの交流がエモーショナルでした。オリジナルのアンはコングを拒絶しまくりでしたが(プテラノドンに襲われた時は悲鳴で助けを請うなど、したたかな一面がありました)、本作の彼女はコングと行動を共にする内に、次第に心を通わせていきました。凍った池に出来た自然のスケートリンクで戯れるシーンが好きです。次の瞬間に砲弾が炸裂して、美しい時間がぶち壊されたのがショックでした。
いくら両者の間に深い絆のようなものが芽生えていたとは言え、そこは美女と野獣の物語。異形のものとの儚い愛は、悲劇的な結末へ向かいました。飛行機の銃弾の雨からアンを必死に守ろうとするコング。オリジナルには無い視点だと感じたのも束の間、力尽き落ちようとするコングに縋りつくアンの姿に涙しました。ドリスコルも今回ばかりはコングに完敗だ。
[回想]
人生で初めて鑑賞した3時間超え映画でした。祖父と一緒に観に行きました。私はしんどくなかったですが、当時72歳だった祖父には大分堪えたと見えて、映画館を出る頃には疲れた表情をしていました。ごめんなさい。
[以降の鑑賞記録]
2006/? ?/? ?:DVD(吹替)
2007/? ?/? ?:DVD(字幕)
2009/10/02:金曜特別ロードショー
2024/03/17:Ultra HD Blu-ray(エクステンデッド版,吹替)
※修正(2024/03/17)