キングダム・オブ・ヘブンのレビュー・感想・評価
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ディレクターズ・カット版の評価です
劇場公開版は説明不足なところが多くて「?」的なところが多かったのですが、ディレクターズ・カット版になってほぼクリアになりました。
が、やはり主役の存在感と演技力の不足ぶりが拭いきれず、妻を亡くした絶望感や苦悩がイマイチ伝わって来ないし、皆を率いるほどのカリスマ性も個人的には感じることが出来ず。リーアムニーソン、ジェレミーアイアンズ、デビッドシューリスを始め、脇を固める出演陣がしっかりしてるだけに、余計上記が浮き彫りになってしまいました。
あと、依然としてストーリーにもツッコミどころがあり、特に主人公の優遇され具合(殺人の罪もなんやかんやで不問にされてたり、父親の家臣がさほど主人公を疑うことなく忠誠を誓ってたり、従軍経験があるとは言え一介の鍛冶屋が大軍を従えて奮闘したり)が目に余りました。ビジュアルの美しさには目を奪われますし、語りたいことも分かるのですが。。。
一方で対立するサラディンの存在感が抜きん出てました。エルサレムの価値を聞かれた際の彼の言葉、それにこの作品のテーマが集約されてる気がします。
リドリー・スコット監督!
戦争映画は、ほとんどの場合広義の反戦映画になるようですが、この映画も、ジャンルでは戦争映画を謳ってはいないものの普遍的な反戦を訴え、さらには大国による他国への侵略、略奪を批判したモノになっています。
歴史を紐解いてみれば、ヨーロッパからの十字軍遠征というものは聖地奪回という大義の下にイスラム圏への領土拡大=侵略が行われていたにすぎないのです。映画の中でもティベリアス(ジェレミー・アイアンズ)の台詞にあったように、「土地と金」が全てだった。エルサレム王の軍事顧問が言うのだから、これほど信憑性に富む話はないのです。映画を観ている間ずっと、現在でも続いているパレスチナとイスラエルの国家紛争を思い出さずにはいられなくなり、拡大解釈すれば、アメリカを含む大国主義国家による侵略戦争すべてを批判しているようにも受け取れました。
冒頭、妻の自殺と首を切るという行為にキリスト教への不信感が募ったバリアン(オーランド・ブルーム)。自分が十字軍の英雄ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)の息子であると告げられたショックも重なり、司祭を殺しエルサレムへ行くことを決意した。最初は「罪を償う」というテーマだったが、平和を願い、真の騎士道と「国家を守る」という意味をも考えさせる内容にもなっています。
惜しいのは、冒頭の殺人やシビルを妻としなかった理由など主人公の心理描写が弱く、ラブシーンを中心にカットされ過ぎと思わせるほどの物足りない編集が残念だった。ラストの投石を中心とした攻防は迫力ある映像だし、オーリーが刺客に襲われる殺陣シーンもよかったのに、こういったスペクタクルが少なかった。そして、「やっぱり・・・」と思わせる翻訳家にも!まぁ、最も不満な点は、オーリーが弓矢を放たないところかもしれないですけどね・・・
スケールがすごい
十字軍には全く興味も馴染みもなく、物語に入り込むことができず眠くなってしまいしかも3時間もあり、3回に分けてようやく見終えた。
殺人場面がすごい迫力で、合戦の場面のスケールの大きさが凄まじかった。リドリー・スコット監督一世一代の超大作だった。
ただ、お話が全く興味が持てずあんまり面白いとも思えなかった。登場人物もあまり魅力を感じず、全くの他人事としか思えなかった。
1年前の今頃WOWOWで録画して、見るのが億劫でやっと見終えることができて宿題を終えた気分。
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