キング・アーサー(2004) : インタビュー
「パイレーツ・オブ・カリビアン」に続き、ジェリー・ブラッカイマー製作のアクション大作でヒロインを演じるキーラ・ナイトレイ。スター街道をまっしぐらに進む現状を、彼女自身はどう思っているのか? 小西未来氏が話を聞いた。(聞き手:小西未来)
キーラ・ナイトレイ インタビュー
「限りある時間を心から楽しもうって思ってるの」
――イギリス人のあなたですから、当然、アーサー王伝説はご存じだったんでしょうね。
「うん。アーサー王やグウィネビアの物語を聞いて育ったの。だから、『キング・アーサー』が作られるって初めて聞いたとき、『今更どうして?』って思っちゃった。すでに映画版がいくつもあるわけだし、誰もが知ってる物語を映画にする意味なんてないんじゃないのかなって。でも、脚本を読んで考えが変わったわ。おとぎ話的要素を排除して、歴史の出来事ときちっとリンクさせていた。歴史的に完璧に正しいかどうかは誰にも確かめようがないんだけど、“暗黒時代”に舞台を移してリアルでダーティーな物語に作り替えるというアイデアは、素晴らしいと思ったわ」
――グウィネビアのキャラクター設定も大胆に変わっていますよね。
「そうなの。よく知られているようなロマンティックで純真なキャラクターじゃなくて、タフで優れた政治的才能を持った存在なの」
――「パイレーツ・オブ・カリビアン」もそうでしたが、あなたが演じるキャラクターは、歴史映画のなかでも非常に現代的ですね。
「確かに女性が脇役になりがちな映画ジャンルのなかで、こんなに強い女の人を演じることができたのはとても嬉しかったわ。映画館に来てくれる女性観客のみんなも、きっと喜んでくれるんじゃないかな。
でもね、これは別に観客受けを狙った設定というわけじゃなくて、歴史的な根拠に基づいているの。グウィネビアのピクト族は、かつて女性も戦士として戦闘に加わっていたらしいの。歴史学者にこのことを教えられたとき、とても興奮したわ。だって、歴史のなかの女性って従属的な存在というイメージがあるけど、少なくとも11世紀ぐらいまでのピクト族のなかでも、男の人と対等の関係だったってことだからね。この映画をやりたいと思ったのも、そのことをぜひみんなに教えてあげたいっていう理由があったからなの」
――戦闘時のセクシーなコスチュームは、さすがに現代的すぎるかなと思ったのですが、あれにも歴史的な根拠があるのですか?
「うん。ピクト族の女性戦士って、実はトップレスで戦っていたらしいの。だから今回の衣装には胸を覆うものがちゃんとついていて、私としてはありがたかった(笑)」
――(笑)
「実はあの衣装でとてもよかったの。撮影時のアイルランドは記録的な猛暑で、甲冑をまとった男性キャストはみんな汗だくになってたの。でも、私はビキニを着てるようなもんだから、快適そのものだったわ」