イノセンスのレビュー・感想・評価
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押井守の集大成
まずはなんといっても映像が凄い。今までも押井作品は常に映像表現の最先端をいっていたけど、今回はまたまた凄い。全編どこを切り取っても、映像だけで酔ってしまいそう。1回目の鑑賞は映像を追いかけるのに精一杯。ただ、映像にこだわったぶん、ストーリーはかなり小さくまとまってしまったような気も。加えて相変わらずの哲学性・作家性がたっぷりで、タイトルでは隠しているけどやっぱり続編モノだから、前作未見の人には相当厳しいのではと……。
驚異的な映像と「人はなぜ自分に似せた人形を作るのか?」という哲学的テーマの融合、そして一応の(?)ストーリー性もあり(ちょっと繰り返しが多い気もしますが)、これまでの押井守の集大成的な味わいもする作品でした。
しかし、このクオリティは何年たっても色あせないでしょうね。個人的に監督のファンなのでめちゃ贔屓な評価ですけれども。
設定が大きすぎ・・・。
15分間の(映画を観る前の)予備知識編は面白かったのに・・・。残念、本編が面白くなかった。
抱えている設定が大きすぎて、細部まで(その時代の様式が)整備されてい気がする。<電脳>のアイデアはいいが、何故そうならなければならなかったのか、の必然性がやや曖昧。その時代に到達するまでの経過がよく見えないので、(生活感という意味での)リアリティに欠けていた。
だから、建物や乗り物などの建造物はよく描けていても、人間などの(生き物)はぼやけてしまっていて、感情移入できない状態に陥ってしまう。「生きる目的すら見えない時代なんだ」と逃げることなく、しっかりと人間(のようなクリ-チャ-)を生かして欲しかった。
とはいえ、映像はきれいでよくここまで・・・とそのデザイン的センスに目を見張るシ-ンは多々あった。
スト-リ-に力を入れればもっと良くなると思う。『スカイ・クロラ』に期待。
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