イノセンスのレビュー・感想・評価
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映像もセリフも芸術的
映像がとにかく綺麗だった。
やっぱりサントラも印象的で最高。
映像、音楽、間。全てが芸術的な作品だと感じた。
登場人物たちの会話が引用を多用しまくりで、それがかっこいい。
キムの洋館の場面の、あの象徴的な演出がとても好み。
つい見てしまう
先日『攻殻機動隊』を見た流れでこっちも見返す。前回見た時はいろいろ感じるところがあったのだが、今回は途中で寝てしまったためか特に何も感じなかった。
結局メインの攻防はネット空間なので、銃撃戦の意味がないように思う。そこに出かけて行って敵を倒しながらネット接続しなければならない設定なのだろうけど、それも作者側が勝手に設定した困難さなので、単に作り手が見せ場をつくりたいだけだろと思う。
寝てしまったのでバドーが何を捜査しているのかもよく分からなくて、命がけで取り組むほどの重要さも感じなかった。そもそも機械の体だからあんまり命が惜しくないのかもしれないし、むしろ死にたがっているのかもしれない。そんなのに付き合わされる一般の捜査員が気の毒だ。
絵はCG多用で、凝っている割に味気なくて前作の方がいいし、主人公が暗いおじさんなのもしんどい。面白味も前作よりぐっと落ちる。でもなんとなく嫌いになれないし、短いのでまたそのうち見てしまうと思う。
(追記)
多分4回目で、長岡に『攻殻機動隊』を見に行ってせっかくなのでネットフリックスで見た。今回も冒頭15分で寝て続きも15分で寝てしまい、3日に分けて見終えたため、なんの捜査をしているのかよく分からなくなる。
バドーが主役だ。クライマックスは義体に草薙素子が憑依してバトーと一緒に戦うのだけど、草薙を憑依させてバトーと一緒に戦うがまず最初にありきで、それであの形態の義体がエラーを起こすという逆算でお話を作ったのではないだろうか。
草薙はふだん何をしているのだろう。
前作同様万人向けではない
押井守が伝えたいメッセージやテーマが前作以上に全面に押し出されている印象。
ただ、その部分があまりに強く出ているためかお話として、エンターテイメントとしては少し評価がし辛い作りであることは確かである。前作よりかは娯楽性が増した気もするが…どうだろう…おそらく気のせいだろう。
伝えたい情報が膨大だったのだろうか。
やはり語ろうとしているものは「人間とは何ぞや」という一点に尽きる。
明確な回答が映画の中で出されているかどうかは正直わからない。
だが押井守が考えたSFであり未来であり人間である。ということは読み取れる。
作品が難しく難解なものと思われるだろうが決してそういう作品ではないと思う。
テーマやメッセージが難しいわけではなく、割と語り尽くされた哲学的な疑問符を、
あえて複雑な提示の仕方をしているだけである。
大きな見せ場もカタルシスも無いので、
お酒を飲みながら盛り上がれるような作品では決してない。
だが、たまにはこういう他人の哲学に興味を示すのも面白いし、映画の楽しみの一つではないだろうか。
これぞ『アニメーション』
この作品を初めて見たのはいつだったか今となっては詳しくは思い出せないが当時小学生だった私は非常に衝撃を受けたの覚えている。
最近攻殻機動隊を久しぶりに鑑賞し、イノセンスもBDで鑑賞した。
この作品は攻殻機動隊、通称攻殻機動隊GITS の続編だ。
イノセンスは攻殻機動隊GITSでネットの海に素子が消えたのちのバトーの孤独を描いた作品であるのだが、イノセンスのアニメとしての凄さはその映像に最も顕著に現れている。
登場するキャラクターのセリフの多くは有名書籍などから引用されたものであったり、必要以上に抽象的なものが多いく、それ故にキャラクターの心情などをセリフから感じ辛くなっている。
その変わりにアニメーションとして映像で彼らを表現している。
細部まで緻密に描かれた作画、妥協することのないCG、この2つが絶妙に組み合わされることによってイノセンスは成り立っている。
不気味なシーンではこちらまでもが本当に不気味さに不安を感じ、孤独を移すシーンではこちらまでもが辛さを感じる。
圧倒的な映像が私たちの中にまで入り込んできて一瞬一瞬を訴えるのだ。
故に私たちは彼ら登場人物の心情をセリフで表現されるよりもより生々しく感じられる。
その意味ではイノセンスは究極の『アニメ』であるだろう。
孤独、人間と人形との違い、幸福をテーマに据えているがそちらはいたって普通に扱われるものであるためレビューでは触れないことにする。
ただ一つ他作品と違うところがあるとすれば私たち視聴者はそのテーマについて感じることができる点であろう。
最後に前作攻殻機動隊から台詞を引用してレビューを終えたいと思う。
「ゴーストのない人形は哀しいもんだぜ。特に赤い血の流れている奴はな。」(バトー)
ノワールではなくハードボイルド
劇場公開当時、号泣した訳だが…。
その時の激情が薄れてしまうのではと、何だか怖くてそれ以来観ていない。
映画評論家の滝本誠さんの
壊れた世界を壊れた人間が彷徨うのがノワール。
壊れないバトーが壊れた世界を彷徨う本作はハードボイルド。
という映画評(確かブロスの特集ページだったと思うのだが…。ちょっと記憶があやふや)を読んで、
何故かまた号泣したのを覚えている。
ここ10年くらいの日本作品(アニメに限らず実写も含めて)で号泣したのはこれだけである。
(当時仕事が忙しすぎて、疲れていただけだったのかもしれないが…。映画はともかく映画評で泣いたのは、もう相当疲れてたからだと思う。)
私にとっては、このイノセンス、ハードボイルドであり、ギリギリとした愛の物語であった。
押井守の集大成
まずはなんといっても映像が凄い。今までも押井作品は常に映像表現の最先端をいっていたけど、今回はまたまた凄い。全編どこを切り取っても、映像だけで酔ってしまいそう。1回目の鑑賞は映像を追いかけるのに精一杯。ただ、映像にこだわったぶん、ストーリーはかなり小さくまとまってしまったような気も。加えて相変わらずの哲学性・作家性がたっぷりで、タイトルでは隠しているけどやっぱり続編モノだから、前作未見の人には相当厳しいのではと……。
驚異的な映像と「人はなぜ自分に似せた人形を作るのか?」という哲学的テーマの融合、そして一応の(?)ストーリー性もあり(ちょっと繰り返しが多い気もしますが)、これまでの押井守の集大成的な味わいもする作品でした。
しかし、このクオリティは何年たっても色あせないでしょうね。個人的に監督のファンなのでめちゃ贔屓な評価ですけれども。
設定が大きすぎ・・・。
15分間の(映画を観る前の)予備知識編は面白かったのに・・・。残念、本編が面白くなかった。
抱えている設定が大きすぎて、細部まで(その時代の様式が)整備されてい気がする。<電脳>のアイデアはいいが、何故そうならなければならなかったのか、の必然性がやや曖昧。その時代に到達するまでの経過がよく見えないので、(生活感という意味での)リアリティに欠けていた。
だから、建物や乗り物などの建造物はよく描けていても、人間などの(生き物)はぼやけてしまっていて、感情移入できない状態に陥ってしまう。「生きる目的すら見えない時代なんだ」と逃げることなく、しっかりと人間(のようなクリ-チャ-)を生かして欲しかった。
とはいえ、映像はきれいでよくここまで・・・とそのデザイン的センスに目を見張るシ-ンは多々あった。
スト-リ-に力を入れればもっと良くなると思う。『スカイ・クロラ』に期待。
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