「前作同様万人向けではない」イノセンス くんぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
前作同様万人向けではない
押井守が伝えたいメッセージやテーマが前作以上に全面に押し出されている印象。
ただ、その部分があまりに強く出ているためかお話として、エンターテイメントとしては少し評価がし辛い作りであることは確かである。前作よりかは娯楽性が増した気もするが…どうだろう…おそらく気のせいだろう。
伝えたい情報が膨大だったのだろうか。
やはり語ろうとしているものは「人間とは何ぞや」という一点に尽きる。
明確な回答が映画の中で出されているかどうかは正直わからない。
だが押井守が考えたSFであり未来であり人間である。ということは読み取れる。
作品が難しく難解なものと思われるだろうが決してそういう作品ではないと思う。
テーマやメッセージが難しいわけではなく、割と語り尽くされた哲学的な疑問符を、
あえて複雑な提示の仕方をしているだけである。
大きな見せ場もカタルシスも無いので、
お酒を飲みながら盛り上がれるような作品では決してない。
だが、たまにはこういう他人の哲学に興味を示すのも面白いし、映画の楽しみの一つではないだろうか。
コメントする