劇場公開日 2023年11月3日

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「スコセッシ版でも足元に及ばない、大傑作」インファナル・アフェア かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0スコセッシ版でも足元に及ばない、大傑作

2024年3月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

難しい

アンディ・ラウとトニー・レオンのダブル主演。
世界中で大ヒットした香港発クライムサスペンス。
三部作いっぺんにレビューしますよ。

【ストーリー】
時は西暦1991年。
中国返還前、アジア最大の犯罪都市香港。
地元マフィアであるサムの組織の下っぱだったラウ(アンディ・ラウ)は、その才覚を買われスパイとして警察学校に入校させられる。
学校で同期でも最も優秀だったヤンが、不可解な退学処分となる。
その出来事の裏で、ヤンはウォン警視に抜擢されてサムの組織への潜入捜査を命じられていた。
時がたち、中国へと変換された香港で、二人は警官と犯罪者としてそれぞれの組織で成りあがり、現場責任者クラスになっていた。
ヤンの情報でタイの麻薬組織との取り引きが伝えられるが、ラウはその情報をマフィアに漏洩する。
ガサ入れが空振りに終わると、両組織でスパイ探しがはじまる。
ヤンはボスを尾行して警察内のスパイの存在を確信するが、それが誰かは分からない。
一方のラウはウォン警視をビル屋上に誘いだし、内部スパイの自殺に見せかけて殺す。
警察身分をとりもどせるパイプを失ったヤンは、銃撃戦で死んだ兄貴分のキョンに、こちらもスパイ疑惑をかぶせる。
容疑が一段落したが、サムの存在があるかぎりいつ命を落とすかわからない。
二人は10年ぶりに連絡をとって、サムを殺害、組織を壊滅させる。
だがヤンの組織復帰の書類作成中に、ラウこそがサムのスパイだと気づいてしまう。

まあめちゃくちゃ面白いです。
展開も早くて画面が異様なリアリティに満ち満ちてます。
犯罪映画の巨匠マーティン・スコセッシがリメイクしたアカデミー賞4部門受賞の『ディパーテッド』が、ちょっとおダサく見えるほどエッヂの効いた演出と、容赦ない暴力の応酬。
全三部作で上映時間5時間半超。
なっが!
なんて思うヒマもなく、どえらい緊張感が全編ゆるむことなくつづきます。
一気見なんてしようものなら精魂尽き果てそう。
しましたけど。
尽き果てましたけど。

この項で解説したストーリーは1作目だけですが、2作目はヤンの警察学校時代からサムの組織での成りあがり、そして1997年の香港返還まで、3作目は最後の事件の詳細とその後が語られます。
ずーっと緊張の連続なんですが、3作目のアンディ・ラウの怪演ときたらもう凄いの一語。
見終わってヘトヘトなのに、いったん戻って確認してしまいました。

精神ゴッソリ削られるので、また見ろと言われたらしり込みしますが、見はじめたらまた一気に駆け抜けてしまうんだろうなあ。
すごいですよ、この映画。

かせさん
トミーさんのコメント
2024年3月31日

共感ありがとうございます。
2作目は観ていないのですが、やはり第1作に止めを刺すと思います。片方死んで、この後どうなる?で終わるのが潔いと思いました。

トミー
琥珀糖さんのコメント
2024年3月26日

私も三部作を夢中になって見ました。
マーチン・スコセッシの「ディパーテッド」より
ずうっといいですね。

琥珀糖