劇場公開日 1951年6月15日

「シリアスさとコメディを併せ持ったヒューマンドラマだ。」群衆 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0シリアスさとコメディを併せ持ったヒューマンドラマだ。

2024年10月19日
PCから投稿

解雇を通告された新聞の女性コラムニスト、アンは、社会への抗議のためにクリスマスイブに自殺をすると予告する、「ジョン・ドウ」と名乗る失業者の投書をでっち上げる。

彼女は競合紙に採用され、元野球選手ジョン・ウィロビーを、「ジョン・ドウ」役として雇う。やがて彼の活動は、全国的な草の根運動に発展する、、、。

公開当時どう思われたか分からないが、ちょっと話に無理がある。本作が伝えたい理想は理解できるが、このプロットで良かったのか。結末も強引すぎるかもしれない。感傷的かつ説教臭くもあり、教訓的すぎるともいえる。

とはいえ、退屈ということは無いし、軽妙なタッチで最後まで見れる映画だ。社会の中の利己主義に対する怒りや、平凡で日々の生活を送る人々への温かいまなざしは十分に理解できるし、シリアスさとコメディを併せ持ったヒューマンドラマだ。

瀬戸口仁