フレディVSジェイソン : 映画評論・批評
2003年10月15日更新
2003年10月18日より丸の内ピカデリー2ほか全国松竹系にてロードショー
「ジェイソンの命日」から10年、ついに対決が実現
待ちわびたホラー映画の2大殺人鬼、フレディ対ジェイソンの激突がついに実現した。「エルム街」シリーズを所有するニュー・ライン・シネマが「13金」シリーズの権利をパラマウント映画から買い取り、「ジェイソンの命日」を作ってからはや10年。その前から「フレディVSジェイソン」の企画は浮上しており、対決編が作られるのは時間の問題と思われたのに、届くニュースは監督や脚本家の入れ替わりばかり。なかには特殊メイクの鬼才、ロブ・ボーティンの脚本・監督で製作されるとか、フレディに代わって「チャイルド・プレイ」のチャッキーがジェイソンと戦う映画の話も持ち上がったりした。
企画難航の原因は、やはり脚本。そもそも、ジェイソンとフレディはそれぞれ現実と悪夢の中と、住む世界が違うのだから、対決のしようがない。その障害を克服するアイデアに加え、両者を互角に扱った脚本がまず秀逸。フレディのシュールなユーモア、ジェイソンのドライな殺戮ぶりを等分に描き、恐怖からバトル・アクションに転じる演出も結構。
ところで、ニュー・ラインは「悪魔のいけにえ」の権利も持っているから、そのうち、レザーフェイスも加えた3大決戦が見られるかも。
(高橋良平)