「記憶を超えるもの」エターナル・サンシャイン マークロス子さんの映画レビュー(感想・評価)
記憶を超えるもの
ネットフリックスで配信が終わるということで視聴。
最初の冒頭は音楽のチープさとともに主人公と女性との偶発的な出会いが描かれる。
ここの冒頭がこの映画をわかりにくく、ストーリーに入りにくくしてる気がする。
一方でここの描写が今作の肝になってる。ここが記憶をけしてからのジョンの行動になるのだ。
そしてオープニング後、また時系列変わって、クレメタインと別れて記憶を消す夜の描写に変わる。
で次はクレメタインが記憶を消えてから、それを知らずに会いに行き、傷ついて記憶を消す決意を描写に変わる。
この辺が普通は古い記憶から新しい記憶、または新しい記憶から古い記憶にたどっていくのだがバラバラに描かれる。
ここで基準と、なるのはクレメタインの髪色だ。なんで、こんなにコロコロ髪色を変える設定にしたかと思うとそこを整理するためなのだ。
青→現在
黃(茶)→倦怠期
赤→ラブラブ
緑→出会い
ここは冒頭でも提示されてる、『青の破滅』『赤の脅威』『黃熱病』『緑の革命』この名称で状態を比喩してたのだ。
ここに気づけばどこの時期がどんな状態か、どの時期を描いてるか理解できるようになる。
ここのトリックは気持ちいいのだが、肝心のラストは少し煮え切らない。クレメタインの別れた理由がカセットで浮き彫りになりづらかったのがキレイに丸まらなかったところかと思う。
キャストも豪華。当時ロードオブザリング(イライジャウッド)、スパイダーマン(キルスティンダンスト)などがわきを固める。
※あと時代違うけどハルク(マーク・ラファロ)も!
ジムキャリーが主演というところもあり、コメディ要素も少しあったが詰め込みすぎな気が。
もう少し削ぎ落とせば、傑作から名作になった作品だと思う。個人的には似た感じの作品で恋愛に焦点を当てたアバウトタイムのほうが好き