「粋な豚と空へ」紅の豚 TSさんの映画レビュー(感想・評価)
粋な豚と空へ
もう何度見たかわからないが、歳をとるほどしっくりくるアニメ。
宮崎監督が、好きな飛行機を、メカを存分に動かしまくって楽しんでいるように思える。
子供の頃観たときは、豚が主人公でしかも空を飛ぶという、奇想天外な設定に驚いたが、あまり面白さがわからなかった。これは子供向けの作品ではない。大人向けの作品なのだから仕方がない。
監督は、飛行機を作る会社の一族として生れた。幼い頃から、身近に飛行機があった。この作品は、監督がずっと描きたかったものではないかと想像する。
天空の城ラピュタやハウルの動く城と同じ系譜の作品だと思うが、メッセージ性がほとんど感じられない。空を飛ぶことの素晴らしさ、面白さ、そして儚さ。観て感じたのはそういうことだ。
メカが、まるで生き物のよう。リアリティよりも、躍動感。アニメだからできる表現。宮崎駿の真骨頂。
そして、豚は去り際も美しい。こんなにカッコいい豚はいないぞ。
「飛べない豚はただの豚だ」は映画史に残る名言になったが、個人的には、ピッコロ親父の「さあ、モリモリ食べて、ビシバシ働くぞ」が気に入った。
カッコよくて、ちょっぴり切なくて、元気がでる映画。
さあ、明日もビシバシ働くぞ!
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盟吉津堂さんのコメント
2025年6月13日
共感ありがとうございます!
この作品はまさに「歳をとるほどしっくりくるアニメ」ですね。
なかなかそういうアニメ作品に出会うことはないので、やっぱり何だかんだ言っても宮崎駿は傑出したアニメ監督だなあとつくづく感じますね。
自分も年間鑑賞本数は少ない人間ですが、映画について読むことも書くことも好きです。
レビューの文体もTSさんと同じくちょっと堅めです(笑)。
是非フォローさせて頂きたく、よろしくお願いいたします!

