「わけのわからん映画はだいたいフランス」クロノポリス 吹雪まんじゅうさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 わけのわからん映画はだいたいフランス

2025年11月19日
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鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

運営様、いつも作品情報掲載の要望に応えていただき、ありがとうございます🙇🏻‍♀️

あらすじ

永遠の命にうんざりして退屈しきった強力な不死者たちが住む、空に浮かぶ巨大な都市「クロノポリス」。
都市の住人たちは、永遠の退屈を紛らわせるために「時間」の要素を操作しようとする。彼らは原子粒子や電気をいじり、奇妙で風変わりなオブジェ(高度な技術と通信するボールなど)を単調に作り続けている。
そんな中、一人の人間の男性(登山者のような姿)がクロノポリスの壁を登り、都市に接近する。都市のバランスを崩す可能性のある部外者の訪問は、都市に変化をもたらす…。

無音声SFストップモーションアニメ。おそらくオープニングに劇中の設定やあらすじが提示されていたっぽいのですが、字幕版が無く、読めなかったのでGoogle先生に教えてもらいました(泣)

モノクロに近い色彩と独特な造形が特徴的な作品。無機質で淡々とした映像が延々と続きますので、正直退屈です。映像から得られる情報が少なく、説明不足。あらかじめあらすじを知っていないと意味不明です。はい、私も後から調べたので意味不明でした(笑)

特筆すべき点は音楽。ホラー映画のような不協和音、不安定なリズムが、淡々としたシュールで意味不明な映像と相まって不気味な雰囲気を醸し出します。人によってはドハマりするかもしれない、唯一無二の世界観です。

ちなみにこれ、1982年のカンヌ国際映画祭特別招待作品であり、ファンタフェスティバルでは「最優秀児童映画賞」を受賞したらしいです。児童…?……?子供が見たら泣くぞ、こんなん…。

とにかく尖りまくった実験的な作品。SFやアニメーションの歴史的観点からすると、必ずしも重要ではないかもしれませんが、異様な存在感を放つ唯一無二のアート作品です。

吹雪まんじゅう