ディパーテッドのレビュー・感想・評価
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信頼と欺瞞に揺れる人物の描き方が見事。
〇作品全体
登場人物の多くが終始信頼と欺瞞の渦の中で苦悩する。欺瞞のカードを手元に置きながら信頼を求める姿の緊張感と、ほのかに漂うバッドエンドの匂いが燻る空気が作品を覆っていて、独特な作品だった。
信頼を求める各登場人物の姿が本当に印象的だ。コリンとビリーのフランクへの信頼を求める心は同じであっただろうが、同じアイルランド系という同胞としての信頼の要求と、職務と崖っぷちの必死さからくる信頼の要求、という相反する感情が根底にあるのが面白い。しかし手元にはしっかりと欺瞞の感情を隠している。だからこそ関係性は簡単に瓦解するし、機能不全を起こす。
結末のあっけなさには驚かされたが、作中でも度々口にする「ネズミ」という欺瞞が軒下で柱をかじり続けた結果、大きな代償を払うことになった…と考えれば当然の結末ともいえる。
スコセッシ監督の作品は、なにかが欠けた人物の描写が上手い。『タクシードライバー』では社会との関係性の欠如を、『グッドフェローズ』や『ウルフオブウォールストリート』では自制心の欠如があって登場人物を魅力的に描いていた。
本作も俯瞰してしまえば滑稽にも見える相反する感情の渦がある。でも、それだからこそ、登場人物は魅力的になるのだ。
〇カメラワーク
・アイリスイン、アイリスアウトの使い方がそこ!?って感じで驚いた。初めて州警察本部へやってくるコリンのカットでアイリスイン、警察内のネズミを探すために事務室で孤立するコリンのカットでアイリスアウト。アイルランド系のコミュニティで過ごしてきたコリンの世界を一気に開かせるアイリスイン、一方で孤独感とコリンの世界の狭さを強調させるアイリスアウト。正直ギャグっぽい。
・スコセッシ映画で好きな要素として、トリッキーなアクションカットでシーンを繋げるところがある。神父とシスターが登場した後、キリストの肖像画を映してそれを寝ている人物に叩きつけるところか。オペラで白い羽を散らすカットとヤクを贅沢にばらまくフランクをオーバーラップで繋げてたり。クスっと笑ってしまうアイデアなんだけど、カット割りのテンポ感が心地いい。
・ラストカット、窓の向こうに議会議事堂とネズミ。ネズミは正直語りすぎでは…と思わなくない。アニメだと結構見る演出だけど、アニメで馴染むのは実写とアニメの、噓の許容範囲の差だろうな、と思ったりした。窓から見えるところまで近づいた議会議事堂だが、ネズミ(嘘つき)にとっては遠すぎる…というようなニュアンスもあるか。
〇その他
・最近『ボーンシリーズ』と『ローンサバイバー』を見たからマット・デイモンとマーク・ウォールバーグが出てきてびっくり。マーク・ウォールバーグのアンチヒーローっぽい芝居がとても良かった。軽い性格なようで嫌味ったらしく賢しく暴れ馬…なんとなく『アウトレイジ』の椎名桔平を思いだした。
・コリンが欺瞞を腹に抱えた代償として夜の機能不全を起こしてるのが面白いアイデアだなあと思った。後ろめたさがあるから起たないっていう。州警察に最初来た時、ディグナムから股間も立てろみたいなしょーもない下ネタ言われたけど、ここに掛かってた。その前にクイーナンから手柄を立てろみたいなことを言われているから、手柄は立てるけど裏がある分、股間はキチンと立たない…みたいなニュアンスを勝手に感じた。
・率直に書くと、マドリンずるくない???って思った。欺瞞の渦中にいた人物たちは全員その償いをうける格好で死んでる。でもマドリンだってコリンを裏切ってビリーと過ち犯してるし、欺瞞の渦中にいたよな、と。いや、まあ人の生死とは関係ない(子供は本当にコリンの子か?という疑問はあるが)ところにあるし、きちんと関係性を断ってはいるけれど、コリンの言い分を一方的に遮断して、間接的にコリンへ引き金を引く立場か?と思ったりしてしまった。
コリンの欺瞞が暴かれた場面で「私のほうが汚れていると思った」って言うのもずるいよなあ。相手の汚さに、自分の汚さを隠してる。
簡単に言えば一人潔白面してるのが腑に落ちない。
感想書いてみて思ったけど、この作品、自分が一番書きたいのはマドリンのことだった。マドリンに引っ掛かりを覚えた、そんな2021年の自分に苦笑。今しか書けない感想かもな…。
フランク(ジャック・ニコルソン)の色気がプンプン
フランク(ジャック・ニコルソン)の色気がプンプン
70歳のちょい悪いオヤジ、かっこいいねー。あんな70歳この辺じゃまず見かけない。大金持ち+美女と遊び放題、うらやましい。金と女を十分に手にした彼が、これ以上何を欲してるのか気になった。
普段はニヤケ面でおちゃらけてる彼の切れさせたらヤバイ感じが、どのシーンでも伝わってくる。ビリーの正体(レオナルド・ディカプリオ)がいつバレるんじゃないかとヒヤヒヤしたわ。
精神科医(ヴェラ・ファーミガ)が何考えてるか分からない
ビリーとコリンどっちにも良い顔する精神科医が好きになれなかった。ビリーとコリンどっちにも良い顔して、コリンと良い雰囲気になったと思いきや、最後はビリーに気があるそぶりを見せる。結局どっちが本当に好きだったんだ。コリンの裏の顔を知って、ビリーの死を悲しんでるところを見るとビリーの方に気があったみたいね。
一番の胸糞は妊娠した子(ビリーの子)をコリンに見せて、赤ちゃんがきたとコリンに告げるシーン。本人がビリーの子だと分かって言ってたなら相当性格悪い女だ。絶対彼女にしたくない。
最後の怒涛の展開に目を離せない
ビリーとコリンが廃ビルで対面してからの展開はテンポよくて面白かった。銃をバンバン撃って人が死にまくり。ビリーがあっさりと死んじゃったのが残念だった。生き残ってほしかったな。主人公級の人間が秒で死ぬのを見たのは初めてかもしれない。
1人勝ちと思われたコリンが、ディグナム(マーク・ウォルバーグ)に成敗されるのが気持ちよかった。ずる賢いコリンにはあれくらいの死に方がピッタリだ。
よく練られておもしろい
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警官のディカプリオ(以下D)は2人の上官に依頼され、マフィアに囮捜査官として潜入。
が、そのマフィアの1人マット・デイモン(以下M)もまた鼠として警察に潜入していた。
このため両組織はお互いに動きが読まれ、やがて情報が漏れている事に気付く。
そして鼠探しが始まるが、2人共頭が切れるので、これをうまくかいくぐる。
そんな中、Dが上官の1人を廃ビルの屋上に呼ぶが、マフィアが来て上官は殺される。
Dは何とか裏口から逃げる。
一方警察側では、Mを疑って殴ったもう一人の上官が休職となり、Mが引き継ぐ。
ここでこのマフィアが麻薬取引を行い、警察が踏み込む。
廃墟に逃げたボスと、そこに現れたM。ボスがFBIの鼠と知りMはボスを射殺。
マフィアの壊滅でDは任務を解かれ、警察でMに会う。
その時、Mの机の上にあった封書を見つけ、鼠がMだと知る。
バレたことに気付いたMはDの警官登録を抹消した。
これで今の警察にDが覆面警官であることを知る者はいなくなった。
Mが鼠という動かぬ証拠を手に入れたDは例のビルの屋上にMを呼び出す。
で、自分の手で逮捕し、警察へ連行しようとする。
ところがエレベータを降りた瞬間に謎の警察官によって射殺される。
この男もまた警察に忍び込んだ鼠だった。が、Mはこの男を射殺。
秘密を知る者もいなくなり、警察官として現場復帰したM。
最後に、休職中の例の上官がMを射殺。
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結局多くの鼠がいたって展開がとてもおもしろく、よく練られていた。
短期間に2回見たが、いくつかの矛盾といくつかの疑問点を書いておく。
1.廃ビルでD逃亡成功。警察もマフィアも裏口を固めてないなんて・・
2.ボスが死んだ際、ボスとMが2人になれるザル警察w
3.何故MはDの警官登録を抹消した?もう一人の上官は生きてるのに?
4.何故Mはもう一人の鼠(偽警官)を殺した?
警察の高官として生きていくためか?でも何故鼠はMを助けたのか?
組織が壊滅しているのでマフィアの命令ではない。
明らかに自分が殺される可能性があるのに、わざわざ助けるか?
5.何故Mは殺された?
Dの敵討ち?それとも正義感?それとも実はマフィアの鼠でボス殺しへの報復?
ガツンと来た
あっちとこっちと両方にスパイがいるってのがこんなに混乱するもんかと思った。私の足りない頭では話が複雑すぎてジャックニコルソンが死ぬ辺りの主人公の行動とかよくわかんなかった。
とても長い映画だし、ありがちなネタが使われてるし。中盤くらいまでは大した事ないなあと思っていたのであるが、話が進んでいくうちにグイグイ引き込まれていった。脚本の弱点をカバーするべくカメラワークや音楽の入れ方が何気に凝っていて一場面一場面、相当頭を使って工夫して作られていると感じた。それとやはりデカプリオの演技によるところが大きいと思った。やっぱりデカプリオは素晴らしい俳優だ。もちろんジャックニコルソンとマットデイモンも良かった。ジャックニコルソンが出てると一気にジャックニコルソンのカラーに映画全体が染まるように感じた。概して配役がぴったりはまっていた。
ストーリー自体は悲劇で終わっていて殺伐としたエンディングだったから他の人が撮っていたらクソ映画になっていたかもしれない。この脚本でありながら見終わった時に伝わってくる大きな感動はなんだろう。・・・監督の力量をひしひしと感じた。
そしてこの映画は全編フィルムで撮られている。フィルムの美しさが見る者に与える潜在心理的な影響は計り知れない。映画監督よ、映画はフィルムで撮ってくれ。
「ヤクザの幹部、実は潜入捜査官」「エリート警察官、実はヤクザの潜入員」
とれあえずレオナルド・ディカプリオが汚れ役に挑戦して俳優としてのステップアップを狙うという趣旨は理解出来た。オーランド・ブルームかジョニー・デップが相方だったらビジュアルだけで盛り上がったに違いない。とりあえずオリジナルが見たくなったという意味で贔屓目の二つ星。
オリジナルはイケメン俳優のアンディー・ラウが警察のスパイ役なので、 ハリウッド版はレオナルド・ディカプリオがアンディー・ラウの役かと思った。 でも裏話でブラッド・ピットが当初の予定という話を聞き、 本当の主役はマット・デイモンだと分かった。 まあ、マット・デイモンだったら見ないだろうなあ・・・。 オーランド・ブルームかジョニー・デップあたりを起用して、 日本風にイケメン対決だったらもっと盛り上がっただろう。 それはともかく、まず最後にレオナルド・ディカプリオがスパイに撃たれて殉職という設定は有り得ないだろう。 過酷な潜入捜査を終えた御褒美が殉職では救われない。 しかも最後に笑うのがマット・デイモンかと思いきや、 レオナルド・ディカプリオの上司に撃たれて死亡。 ・・・これってどうなんだろう・・・。 オリジナルが香港映画だからあえて毒を強くしたのかは不明だが、 正直言って救われないし典型的なバッドエンドだと思う。
ちなみに日本でもTBS系ドラマ『ダブルフェイス』がOAされた(BS放送局のWOWOWと民放地上波放送局のTBSの本格的なコラボレーションは初の試み)。
凝ったストーリーのギャング映画としては十分に楽しめたのだが、マーティン・スコセッシ監督作としては少々物足りない
マーティン・スコセッシ監督による2006年製作の米国映画。
原題The Departed、配給ワーナー・ブラザース映画。
ディカプリオ、デイモン、ニコルソン主演の3人とヒロインベラ・ファーミガがとても良く、凝ったストーリーのギャング映画としては十分に楽しめた。
ただ、あの「タクシー・ドライバー」や「沈黙」を造ったマーティン・スコセッシ監督作としては、かなり物足りないところは有る。エリート警官でありながらギャング・ニコルソンに忠実なマット・デイモンの心の謎が、ファミリー意識の様でもあるが、こちらに伝わってこなかったし、警官とギャングの二人と付き合うヒロインの心情も良く分からなかった。ボストンの街も、あまり魅力的に見えなかった。
製作マーティン・スコセッシ、ブラッド・ピット、ブラッド・グレイ グレアム・キング、製作総指揮ロイ・リー、ダグ・デイビソン G・マック・ブラウン、クリスティン・ホーン ジャンニ・ヌナリ。原案フェリックス・チョン、アラン・マック、脚本ウィリアム・モナハン。撮影ミヒャエル・バルハウス、美術クリスティー・ジー、編集セルマ・スクーンメイカー、衣装サンディ・パウエル、音楽ハワード・ショア。
レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ、マーティン・シーン、レイ・ウィンストン、ベラ・ファーミガ、アレック・ボールドウィン、アンソニー・アンダーソン。
Who are you ?
犯罪組織のボス、コステロをジャック・ニコルソンが本作でも怪演。
特別捜査班( SIU )に配属されるエリート警察官コリン・サリバンをマット・ディモン、成績トップで警察学校を卒業した警察官ビリー・コスティガンをレオナルド・ディカプリオが演じる。
よく練られた脚本、緊張感の続く展開、鍵となる台詞の数々、キャスト陣の巧みな演技にラスト迄目が離せなかった。
魅力的な精神分析医マドリン( ヴェラ・ファーミガ )のその後の人生は…、子の父親とは…。
ークランベリー・ジュース
自宅での鑑賞 ( 字幕版 )
ハラハラドキドキ
警察とマフィアの両方にスパイが。
そして、最後は殺し合いでみんな死んじゃうのね。。。
えー?マットディロンだけが生き残る設定って。。。?
セラピーに渡した、封筒はどうなったの?
おもしろかった!
マフィアに潜入する警官(ディカプリオ)、警官に潜入するマフィア(マット・デイモン)、それぞれの駆け引きが最後まで中弛みすることなく楽しめました。
クイーナンの死から一気に進んでいき、最後はビリーの勝利で幕を閉じるだろうなーと思っていたところまさかの急な退場
まさかバッドエンドでコリンの勝利かーと思っていたら、最後の最後でディグナム再登場でもってくという…
スリル満点で最高でした
黄金色のドームを持ち、燦然と輝いているマサチューセッツ州議会議事堂をサリバンは見つめるその意味は深い
ディパーテッド
タイトルの英語の意味は単に「死人」
映画の内容からすると、日本語の「死人に口無し」ぐらいの意味でつけられたらタイトルだと思う
そのような会話のやり取りやシーンが多い
内通者が誰だか分からない時はどうするか?
コステロは、その時は部下をみんな殺すのさというのだ
大元の筋は香港映画のままだが、ボストンの南側アイルランド系住民街サウスシーを舞台にしている
調べてみると、コステロなどの本作のエピソードの多くはボストンのその地域で実在した人物や実際にあった事件や出来事をモチーフにしてあるという
ギャングとFBIとの癒着まで実話だという
劇中何度も写る美しい黄金色のドームを持つ建物
あれはマサチューセッツ州議会議事堂
コステロに相当する70年代から80年代に実在した人物の兄弟が上院議員だからだ
その兄弟は暗黒街と、政治の両方のトップとしてボストンに君臨していたのだ
だからあのシーンをみた米国の観客はもちろんそれを認識して、スクリーンに写る美しい議事堂に込められた意味を分かって見ている
自由と民主主義の殿堂であるはずの議事堂
そもそもマサチューセッツ州は、メイフラワー号が到着したところ
合衆国の始まりの土地
その州議会議事堂なのだ
だからこそ黄金色のドームを持ち、燦然と輝いているのだ
しかし、そこの主がギャングの兄弟の片割れなのだ
天を仰ぐような、果てしない絶望だ
マット・デイモンが演じる、サリバン刑事はギャング側が州警察に送り込んだスパイだ
彼が住まう広いアパートから議事堂が見える
彼はその議事堂を見つめるのだ
どこまでも伸びる暗黒街の手の長さ
逃れようがない絶望がそうさせたシーンなのだと思う
前半は設定と人物紹介に当てられているが、いささか長い
そのためシーンの切り替えを早いテンポでどんどん切り替える工夫を入れているのだが、それでも若干ダレれるし疲れる
しかし、佳境に入った後半は俄然スコセッシの実力が炸裂している
これほど興奮し心臓がバクバクする緊迫感を味わった映画も久しぶりだ
クライマックスの顛末は正に「ディパーテッド」
死人に口無しそのそのものだった
レオナルド・ディカプリオは、州警察がギャング側に潜入させた秘密捜査官
レオナルド・ディカプリオ32歳、マット・デイモン36歳
ギャング映画の世界は、アンタッチャブルのように戦前の話、イタリアマフィアのゴッドファーザーの世界は70年代ぐらいまでの話
21世紀の現代ではもはや過去の話
過ぎ去った時代の神話のはずだった
それがこの二人ように若い世代でも繰り返されている
それもより深刻に
その絶望で映画は終わるのだ
サリバンの子供を身ごもった、精神科医のマドリンだけがただ一人真実を知ったまま生きている
そのことにサリバンは気がついてエンドマークとなる
ディパーテッド
死人に口無し
マドリンの運命が暗示されている
強烈な印象が残る映画だ
どっかの原作をマーティン・スコセッシがリメイクした作品。アクション...
どっかの原作をマーティン・スコセッシがリメイクした作品。アクション少なめのサスペンスという僕的には好きなジャンルの映画。その上で無駄なシーンが少なく、ご都合主義に話が進まなかったため面白かった。
また、初代ジョーカーで衝撃を受けたジャック・ニコルソンと、個人的に好きな賢さの裏にどこか葛藤を持つような魅力的な演技をするマット・デイモン、あとはディカプリオという名キャストによる作品という所も興奮した。
冒頭のシーンで語られた、ジャックの1分程のスピーチがこの作品の全てだと思う。
誰も与えない。我は服従せず。自分で奪う。
レビューにはマット・デイモンはだんだん頭がいかれてしまっただのなんだのあるが、彼はジャックのこの教訓を見事自分のものにした。
最初のシーンであったがマット・デイモンは学校で議事会を見つめていた。他にも議事会の隣に住んだりしたことから、議員になることが彼の野望だと言える。
最初は自分を育ててくれたことに感謝していたため、その夢との葛藤が描かれていたが、ラストの方で彼がジャックはFBIにスパイを売ることで実はFBIと繋がっていたということを知った。それでマット・デイモンがいなくても捕まらないのは納得。そこで彼は、今まで可愛がってくれていたジャックは、忠実な駒を手に入れるために自分を道具として育てたんだと理解する。途中でもジャックは嫌な匂いがしたら、手下は全員殺すと言っていた。自分の身が危ないと悟ったマット・デイモンは、ジャックを検挙することで昇進することを一石二鳥と考え、嵌めて殺した。そう考えると付き合ってる医者も結婚しているという事実にくわえその妻が医者という信頼感を得るために道具として利用したとも考えられる。その後も上手く立ち回り順調に高い地位を手に入れた。
しかしディカプリオが残した手紙を元に妻は巡査部長に連絡しマット・デイモンも最期を遂げたと思われる。
ずる賢く、自分で奪う道に生きるマット・デイモンとジャック・ニコルソンも、途中サブのサブキャラがボソッとこぼした【驕る者久しからず⠀】が体現された。ディパーテッドという題目が語るのはただ、メインの登場人物がほとんど死ぬだけでそこにメッセージ性はないと思う。
伏線も含めて最初から最後までしっかりした因と果があって見応えがあった。役名は忘れたので一通り俳優名で書いた。
まあ、おもしろかった、
後半になってようやくお互いがお互いを疑いだすような展開で、後半からは見入った。
でも最後はみーんなあっけないかんじでの幕切れ。
そこまで高い評価でもないしまた見るかというとそこまででもないけど、まあ、おもしろかったかな、と。
最後まで目が離せない
監督はタクシードライバーのマーティン・スコセッシ。最初、レオナルド・ディカプリオ(ビリー・コスティガン役)とマット・デイモン(コリン・サリバン)の区別がつかず混乱したが、とりあえずマット・デイモンの方が細いという事でしのいで視聴。ギャング側、警察側でそれぞれのスパイが相手の裏をかこうと白熱していく様子は、彼ら二人だけでなく、それぞれのボスも劇中でなんとか相手を任そうと知恵を振り絞る姿を見せてくれる。その緊迫感の中でひときわ目立つのがコステロ。面白いおやじ感はあるし、そんなにひどい描写はなかったが、こいつを怒らせたらやばいということで物語全体のヒリヒリした緊張感を高めている。ラストはあっけない。バグパイプを聞きながら結局喜劇だったんだというような途中で終わった感を味わったが、伏線を張ってた大物が最後にキメてくれるのは、もうどうしようもない段階ではあったが、悪くはなかった。
これが非情の世界だせ!!、ってこと?
始めの方はいろんな人が出てきて、細かいところでよくわからないところがたくさんあります。
ストーリーとしては
・デュカ君殺したって、証拠の音声が弁護士と女医に渡ってるんだからすぐ法廷行きですよ。
・最後にディモン君何で殺されるの?唐突過ぎて意味がわからない。
・もう一人の潜入捜査官、最後にいきなり出てきて伏線なさ過ぎ
などなど、元が香港アクションだから、その辺はテキトーでよくて、最後に皆んな殺されてこれが非情の世界だせ、ってことなんですかね?
まあ、かなり杜撰な展開は脚本家の責任として、それでも2時間半一気に見られたのはセッジ君の手柄でしょうね。
一言で言えばなかなか良くできたアクション映画ではありますが、テーマもないし映画としての風格もないし、何故オスカーとれたのかは疑問です。
真逆の潜入者
香港映画のリメイクだがマサチューセッツの実際のアイリッシュ・マフィアとFBIの癒着事件などのスキャンダルに着想を得て含みのある潜入捜査ものに仕上がっている。
マフィアといえばイタリア系だが実はアイルランド系ギャングはアメリカで最も古い犯罪組織だから、こちらを描いた映画なら「ゴッドファーザー」に対抗できると製作陣は読んだのだろうか。
リメイクものだし、スコセッシ監督は脚本を読むまで乗り気ではなかったようだがオスカーまでとってしまうのだから恐れ入る、俳優陣がディカプリオ、マット・ディモン、ジャック・ニコルソンとくればそれだけで物凄い映画、ただそれぞれが主役級だから見せ場を用意する都合からでしょうか2時間半もの長丁場になってしまいました。
マット・ディモンのコリンが子供のころからジャック・ニコルソンのギャングのボスに可愛がられるプロットはロバート・デニーロ初監督の「ブロンクス物語(1994)」に似たような話、マフィアも子飼いから育成とは用意周到。警察学校を出たばかりの二人の若者が真逆の潜入者という数奇な運命がこの物語の味噌なのでしょう。
いつばれるのかとさんざん気を揉ませた挙句、題名のディパーテッドどおり皆、旅立ってしまいました、この辺の刹那的な展開はスコセッシ監督ならではの持ち味なのでしょう。
それにしても2時間半はちょっと長すぎ、二人の接点がセラピストって世間が狭すぎ、麻薬より軍事機密を中国に売られてしまった方が大事なのにさらっと流してはまずいでしょう、終盤になってやたら同じ穴のネズミがでてくるのも奇をてらい過ぎに思えました。
役者はみなさん、さすがに芸達者だったけど
やっぱりどうしても韓国版と比べてしまうね。
原作にあったなんともいえない微妙な感じ、ギリギリ感は薄くなり、ジャック・ニコルソンの存在感が強すぎ、最後には皆死んでしまいましたとさ。
物語が動き始めるまでが少々かったるかったのと、最後が若干端折りすぎな気もした。
巨匠スコセッシによる香港ノワール金字塔のリメイク
犯罪者が多い家系から決別するため警察に入ったビリー。しかし彼はマフィアへの潜入を命じられる。一方コリンは、育ててもらったマフィアのボス、コステロの内通者(ネズミ)として警察官になる。
香港映画のインファナルアフェアをリメイクした今作。別の作品として楽しむことができたけど、やはり元祖と比べちゃう。
主演2人に関しては元祖版の方が良かった。
ディカプリオよりトニーレオンの見せる悲しい表情の方が印象的。マットデイモンよりアンディラウの方がうざく感じた笑。だけどマフィアのボスは今作の方が良かった。ジャックニコルソンの狂気、暴力性は凄かった。
それとスコセッシ得意?のバイオレンスシーン。マフィアの残虐さが伝わってくる。こんな環境にいたら精神が不安定になるのも当たり前だなと思った。
ラストでコリンがディグナムにあっさり殺されたのが意外だった。
そもそもなぜディグナムにばれたのか?
ビリーがマドリンに渡した封筒、あれがコリンの正体を証明する物。それをメディアに流したから。
それか、
封筒の中身を警察に出し捜査が始まったが、コリンがネズミと証明できず、グレーのままだった。
どっちにせよ、だから近所の人に嫌がられてたのかな?けど躊躇いもなく殺したのは疑問が残った。
ネズミ探しをするコリンが嫌いだったこと、尊敬する上司クイーナンを殺された恨みからかなぁ。
個人的には生かして無間地獄に落として欲しかった。
ハラハラドキドキ
本当にハラハラドキドキした
レオの演技が上手すぎて自分もおとり捜査しているみたい
署長かわいそう、、
最後はみんな死にすぎ
レオが封筒を見つけた時黙っていて警察に任せればよかったのに!
最後出てきたもう1人のネズミが出てこなければハッピーエンドだったのに!
ディカプリオと途中辞職したおとり捜査のリーダーのディグナムが報われ無さすぎてかわいそう。
最後ディグナムが自分の手でマット・デイモン殺したのは良かった
解説を読んで、、
コリンに身分を消されたビリーが後に警察官として扱われていたこと、コリンがマンションに戻った時に住民から避けられたこと、部屋に殺す気満々のディグナムがいたこと、これらはマドリンがメディアにコリンとビリーの正体を暴いた(たぶん生前のビリーから預かった封筒)ことを示唆しているシーンであると考えられる。気付かなかった!
あと銃撃戦で死んだコステロ側の人が沼地に埋められたのにすぐ発見されて、しかも潜入捜査官だったって報道されたのは、ビリーの作戦かもしれないとも考えられる。
2020/6/28 2回目 DVD
1回目見た時はレオしか興味なかったが、マット・デイモンとマーク・ウォールバーグに激ハマリしたためDVDを買って2回目を見た。
1回目の時は最後のシーン以外のディグナム好きになれなかったが、めっちゃかっこよく思えた。
やっぱりラストの犬とその飼い主に避けられたことと、ドアの前で少し屈んだシーンの意味がわからない。部屋に誰かいると感じ取ったならあんな勢いよくドア開けないだろうし、ディグナムがいた事に驚いてたし、、。
全35件中、1~20件目を表示