「100%のハッピーエンド」ディパーテッド あさんの映画レビュー(感想・評価)
100%のハッピーエンド
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第79回アカデミー賞作品賞受賞のサスペンス映画。
死こそが救済であるというテーマが印象的。
終盤の"Death is hard. Life is much easier."というマドリンのセリフはこれを皮肉ったものだろう。
しかし、本当にあの2人の警官にとっては死こそが救いであった。
最終的に全てを失ったビリーは、死ぬことによって、コリンの証言があったからこそ、自分を取り戻すことができた。
対照的に全てを得たコリンも自己矛盾に苛まれ、死しか救いがなかった。
こうしてみるとシリアスなストーリーだが、これを軽妙に映し出しているのがこの映画の妙である。
ジャック・ニコルソン演じるコステロは残虐非道ながらも、どこか憎めないユーモアがある。
また、映画全体を包むロックナンバーも、どこか陽気な雰囲気を醸し出している。
こういった死を悲劇的に見せない演出からも、この映画の独特な死生観が垣間見えることと思う。
見る人によっては後味悪いラストだと感じるかもしれないが、私はこれを「100%のハッピーエンド」だと称したい。
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