「前代未聞、タブーなき全身落語家。」落語家の業 スー(ジェーンじゃない方)さんの映画レビュー(感想・評価)
前代未聞、タブーなき全身落語家。
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大須演芸場の強制差し止め直前まで高座に上がり続け、執行官を唖然とさせたこと。元弟子から訴えられても、それすら飄々とギャグに変えてしまう人間力。かえすがえすも圧倒される。
江頭2:50が借金取りに追いかけられた際、大川総裁から「その状況を楽しめ」と言われ、借金取りから逃げるために穴を掘ったというエピソードを思い出した。
心理療法で言えばナラティブ・セラピーに近いのだろうが、これは昨今の鬱屈した日本社会にこそ必要な発想だと思う。
競馬を当てた場面では、思わず拍手してしまった。天晴れである。
なお、訴訟を起こした元弟子については、彼女から「師匠を取るか、自分を取るか」と迫られた構図だったことは明白だろう。
また本日は満席で、立ち見も10人以上はいたように思う。これほど素晴らしい作品が、東京では1館のみ、しかも1日1回の上映にとどまっているのは、あまりにももったいない。
辛い人生を送っている人を含め、より多くの人に観てほしい映画だ。
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