「家族などの人間関係を描く普通にいい映画」THE END(ジ・エンド) minavoさんの映画レビュー(感想・評価)
家族などの人間関係を描く普通にいい映画
人類が滅亡してシェルターで暮らす人々の話をミュージカルで描くと聞いて、どんなトンチキ映画見せてくれるのかなと観に行ったら、普通にいい映画だった。
人間は孤独では生きていけないから、他者と関わりを持つ。その関係の中では自分を偽ることも互いの関係性を保つことに必要悪だったりする。むしろ、恋人、家族という親密な関係ほど、お互いを尊重すればするほど、この偽りが深まることもある。
でも時には罪を隠している自分自身と向き合い、人を欺いているという二重の嘘に苦しむことになる。
エンディングロールの役名をみて、この映画自体が演劇的だったということがわかる。
ミュージカルについては、スコアが、ララランドぽいなと思った。作曲のジョシュア・ハーミットは、ララランドと関連はないが、ブロードウェイで活躍してる若手らしい。ミュージカル特有の作曲センスがあるなと感じた。
本作は設定が突飛だけど、「エミリア・ペレス」よりもドラマパートとミュージカルパートのつなぎが自然に感じた。「エミリア・ペレス」観て意外とミュージカルって楽しいね、くらいな方には本作の鑑賞をおすすめしたい。
エンディングロールの曲が壊れていく。音もない世界で、静かな希望が残る。
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