「ミュージカルとしては…」THE END(ジ・エンド) regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
ミュージカルとしては…
『アクト・オブ・キリング』、『ルック・オブ・サイレンス』のジョシュア・オッペンハイマーの約10年ぶりの新作は、なんとミュージカルドラマ。人類が地上に住めなくなった25年後の地球の地下シェルターで暮らす富裕層家族のもとに、外の世界から若い女性が現れ…という、いわゆる箱庭型ディストピアもの。
それまで均衡を保ってきた生活に異質者が加わる事で、それが崩れていくという流れからサスペンス展開になるかと思いきや、これが悪い意味で単調に進んでいく。というか、これほどまでにミュージカルパートが不要に感じたミュージカルも稀かも。『蜘蛛女のキス』(2025年版)という今年ベスト級の作品を近々で観たばかりだけに、余計そう感じてしまった。これだったら純粋なドラマ作品として作ってくれたらとも思ったが、それはそれでもっと凡庸な出来になってたかも…
ただ、シチリア島の塩鉱山を利用してシェルターにした舞台が醸し出す空虚な風景は目を惹き、同じ場所でもう一本ディストピアものを作ってほしいと思ったほど。あとモーゼス・イングラムの歌声が良かったのと、強面のマイケル・シャノンが歌って踊る様がシュールすぎてインパクト大だった。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
